愛の結晶２ (ページ20)

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第６９話：仕返しページ20

ーグルーシャsideー

グルーシャ
「覚えてないかもしれないけど・・・昨日、夢の中であんたは苦しんでいたんだよ。」

A
「夢の、中・・・？あ・・・！」

グルーシャ
「夢の中に出てくる″僕″って、かなりドライなんだね。」

A
「！」

淡々と話すも、奥底に眠っていたものが静かに爆発する。まさか、自分が夢の中の自分に嫉妬するなんて・・・。

グルーシャ
「違う？」

A
「いや、えっと、その・・・」

気遣ってなのか、視線を逸らしながら口をもごもごさせる。嘘をついて誤魔化されるより、本当のことを言ってくれた方が、お互い傷付かなくて済む。

グルーシャ
「待って。」

A
「むぐっ・・・！」

Aの口全体に右手を押し付ける。その衝撃で、彼女の口から変な声が漏れる。

グルーシャ
「それ以上、何も言わないで。」

すると、僕の手を口から離し、「プハッー！」と急いで酸素を取り込む。

A
「はぁ、はぁ・・・急に口を塞がないでよね！」

グルーシャ
「それは悪かった。・・・だけど、昨日の仕返しだから。」

A
「・・・は？昨日のって、何のこと？」

グルーシャ
「さぁ？一体、何だろうね。」

不敵な笑みでAのことを見た後、呆然とする彼女を放置したまま洗面台へと向かった。

A
「っ・・・」