御伽の国の王子とは【オリジナル？】 (ページ6)

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STORY4 ページ6

アリスの言葉にドクンと心臓の
脈が早くなる。

カツカツと威圧感を放ちながら
近づいてくる彼に

一歩一歩と後退りをしていく。

アリ｢はは、逃げるの？随分、可愛くなったんだね｣

その言葉と同時に肩を掴んできた
彼に恐怖を隠しきれず、俺は涙目になっていた。

貴｢う、うちく｣

アリ｢打首？また？それで何人殺したんだっけ？｣

貴｢あれは全部、、！｣

アリ｢ミラーナ様が悪い。聞き飽きたよ｣

シン｢アリス、！｣

シンデレラの声なんて無視をして
彼はさらに距離を詰めてくる。

そして、俺の髪の毛を耳にかけては
耳元でそっと口を開いた。

アリ｢僕らの世界は僕の夢だよ、A。
悪夢はさっさと消えてくれないかな？

あの怪物と同じで、俺が打首にしてもいいんだよ？｣

その言葉に背筋に嫌な感覚が走った。

あの怪物。
それは俺のペットであるジャバウォックのことだ。

元々俺は、こいつのヴィランであって好かれる
存在ではないのは分かっている。

完全にトラウマの1部を引きずり出された
俺は身体を震わせ口をぱくぱくと
することしか出来なかった。

アリ｢はは、完全に怯えちゃったよ、かわい｣

ミラ｢アリス。止めろ｣

アリ｢！陛下、、｣

この最悪な状況を変えてくれたのは
俺の1番会いたくない人であった。

そう、俺の唯一の家族である、

貴｢ミラーナ｣

ミラ｢久しぶりだね、A｣

まだ震えている声で相手の名前を呼んだ。

弟は、昔から変わっておらず
相変わらず、綺麗な容姿と心で
世界の全てを魅了しているようだ。

俺とは正反対で。

恐怖と憎しみが混ざり合い変な気分だ。

そんなことを考えていると、そっと体を
抱き寄せられた。

ミラ｢会いたかった｣

まるで自分のことを愛しい存在かの
ようにミラーナはそう呟いた。

その事に戸惑い、先程の恐怖や
憎しみなんて忘れてしまい

今はただ、心臓の音がうるさくて
何の罵倒も思いつかなかった。

やっと開いた口からはあろう事か

貴｢俺、も、、、あいた、かった｣

そんな言葉が出てきてしまった。