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櫻井side
このままでは何もできない、とにかく姿勢を変えようとした。
が、
Ｓ「！！！」
タイミングが悪かった。
いや、わかっていたけれど。
急ブレーキをかけた車の反動に、バランスの悪い状態だった俺の体は耐えきれなかった。
Ｓ「あ...」
...見つかった。奴は何か言っている。
でも、ノイズが酷くなり、何も聞こえない。
生きた心地がしなかった。体が動かず、心臓の動きだけは大袈裟なほどに感じる。
Ｓ「い...や...」
自分の声すら掠れ、きっと相手には届いていない。
大きな手が伸びてくる。
いやだ、来ないで。やめて。
抵抗なんてできなかった。この小さな体で大の男に勝てるわけもなく、それ以上に恐怖で動けないのだ。
そもそも、これは過去を辿っていく夢だ。俺がどう動こうが何も変わらない。
S「…！」
助手席に座る男が、手に持った四角いものを俺に向けた。
同時に、男に抱えられた彼が目に入った。手足を縛られ、自由を奪われた彼の姿が…。
S「うっ…あ……」
だめ…怖い……
脳内で鮮明に繰り返される記憶が、恐怖を増長する。
それに…彼のあの姿を、泣き叫ぶ声を、再び目の前にして、冷静になんて…
男の持つものが、近づいてくる。
ニヤリと歪んだ口元……フロントガラスの外に見える雨……彼の涙……断片的に聞こえる男の言葉……無力な自分……
全てが頭を駆け巡り意識が遠のく中、首にソレを当てられたひんやりとした感覚の直後、
S「あ"っ！！！あ"あ"あ"ああああ！！！」
強すぎるその感覚で、目を見開いた。
Ｎ「しょーちゃん！？」
S「え…？」
気がつくと、そこは俺の部屋のベッドだった。
すぐ側には、俺の顔を心配そうな顔で覗き込む、昔からずっと変わらずに透明な瞳の『彼』がいた。
N「大丈夫？俺のことわかる？」
S「あ…うん…。」
N「よ、よかった…ちょっと潤くん呼んでくる！」
和は慌てて部屋を出ていった。
…あの瞬間、夢が覚めたようだった。
まだ感覚の残る首に手を当てるが、何の跡も、痛みもなかった。
汗でべったりと背中に張り付いた制服のシャツ。
朝の時点では一応学校へ行こうと着替えてたんだっけ…。
着替えたいなと思いながらふと窓に目をやると、空は夕暮れの茜色に染まり始めていた。
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橙空(プロフ) - ritsuさん» すみません、返信遅くなりました！コメントありがとうございます(*´-`)楽しみにしていていただけているようで、嬉しいです。これからも更新頑張ります！ (2018年9月22日 8時) (
レス) id: 8618996bea (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読ませて貰っています。続き楽しみにしていました！翔くんが皆になんて言うのか、すごく楽しみです＼(^o^)／ (2018年9月11日 17時) (レス) id: 52872926f5 (このIDを非表示/違反報告)
橙空(プロフ) - ちょこさん» リクエストしてくださりありがとうございました！ちょこさんのアイデアのリクエストで、楽しくこの小説を書くことができています！更新が遅いですが、きちんと書ききるつもりなので、頑張ります！ (2018年9月11日 13時) (レス) id: 8618996bea (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 遅れてしまってすみません、あのときリクエストさせていただいたちょこです！リクエストを書いてくださり、本当にありがとうございます！いつも楽しく読ませていただいています。更新頑張ってください、応援してます！ (2018年8月15日 0時) (レス) id: 41ca308e38 (このIDを非表示/違反報告)
橙空(プロフ) - moaiさん» コメントありがとうございます！更新が不安定になってしまっていて申し訳ありません...。頑張ります！ (2018年7月31日 12時) (レス) id: 8618996bea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橙空 | 作成日時：2018年4月16日 22時
