きらめきめもり (ページ10)

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監「そうゆう訳で、是非！最高の恋愛をしましょう」

ぱちぱちぱちぱち。

監督の挨拶から締めの言葉、ひとつひとつ聴き残さず頭の中に記憶したいと思った。

監「Aさん」

「はい！」

監「菅田くんといい恋愛してね」

「はいっ！…え、え、ええ？！」

監「はっはっはっはっ」

戸惑っていたら、

菅「サハラさん、そうゆうこと言うたら俺が本気にしちゃうんで」

菅田さんが間に入ってきてくれた。

監「擬似でも恋愛して欲しいって思うもんなんだよ」

「な、なるほど」

菅「いや、こんなん適当に言ってるだけなんで！」

監「適当ってなんだよ、」

菅「あっはっはっはっ」

菅田さんと監督はすごく仲がいいらしい。

何作も一緒に作ってきた絆がある。

菅田さんのサラサラした髪をぐしゃぐしゃにする監督。

「いいなー…」

思わず零れた言葉。

「っ！」

菅「いいな？って言った？」

「い、いやいや！」

菅「サハラさん、Aさんもぐしゃぐしゃにしたって」

監「なんだよ、ムツゴロウさんかよ」

「いや、そうゆうことじゃ！」

監「よしよしよしよし、よーしよしよし、よーしよしよーし！」

「ぐはぁっ！！！」

菅田さんの時より激しく、せっかく綺麗に巻いてもらった髪の毛をぐしゃぐしゃにしてくる監督。

菅「やりすぎやろ」

なんて言ってるけど、手を叩いて笑っている菅田さん。

え、私、ぐしゃぐしゃにされたかったの？

監「じゃ、初日に！」

そう言って監督は数人のスタッフさんと一緒に部屋を出ていった。

ぞろぞろと帰る支度を始めるスタッフさんや他の共演者の人たち。

菅「…Aさん」

「はい」

菅「ちょっと親睦、深めません？」

「……ふ、深めたいです！」

菅「ふはっ、そんな気合い入れられてもちょっとお茶でもって感じなんですけど」

…は、恥ずかしいぃぃぃい。

他のみなさんに挨拶をして、私たちは部屋を出た。