きらめきめもり (ページ34)

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...

菅「Aちゃんさ」

「うん」

菅「……あー、やっぱいいわ」

「え、なに！気になります！」

菅「……全然、敬語使うやん。俺、壁作られてんかな？」

「え？違う違う！そうじゃなくてっ」

菅「ふは、ははっ」

…え、なに？なに得なの？私得なの？
寝起きの声でふやけて笑う菅田将暉。
可愛すぎじゃねぇかよぉぉぉ。

菅「今日はなにするん？」

「えーっとね、今日は」

菅「うん」

それから他愛もない話を私が家を出るまでの数時間、ずっと話していた。

好きな色はなんですか？
好きな食べものはなんですか？
好きな歌はなんですか？
好きなことはなんですか？

聞きたいことはたくさんあるのに、

「すぅちゃん、寝なくていいの？」

菅「んー、俺ももう起きるわ」

「ねえねえ、昨日のさ先輩の話」

菅「アァ、あほやんな、あれ」

「えぇ？！なんで？」

菅「あんなん相田さんのこと好きって言うてるようなもんやろ」

「だよねだよね？！でもなァ、肝心ののんちゃんが聞いてないんだよぉぉ」

菅「相田さんも流川さんにばれてないだけでばればれやのにな」

「うんうんうんうん」

たくさんたくさん聞きたかったのに、聞けなかった。

菅「あとな」

「ん？」

菅「Aちゃんのふたりをどうにか！って気合いもばればれ過ぎやで」

「え、絶対うそ！」

菅「嘘ちゃうわ、めちゃくちゃにやにやしてたやん」

「…それは、否定しにくいけど」

菅「初恋がどうとか、」

「あぁー、それね」

菅「そんなん聞きたくないし」

「そりゃ私の話はどうでもいいけど！」

菅「そういう意味ちゃう」

「え？なに？みすったのばれたんじゃなくて？」

菅「んーーー、まァいいや。」

「なにそれぇ」

すぅちゃんの声は心地いい。

ずっと耳元で聞いていたい。

菅「Aちゃん」

「ん？」

たった一回の電話で全てを聞くのが勿体ない気がした。

菅「今度はふたりでごはん行けへん？」

「…うん、行こ」

すぅちゃんとの時間はこれからたくさん作られたらいいなって、そんな願いを思いながら話し続けた。