きらめきめもり (ページ2)

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そこそこドラマにも出れるようになって、
そこそこバラエティにも出れるようになって、
今のここが踏ん張りどき。

歌手として世に飛び出るはずだったのに。

気付けば、もう地道に活動を始めて 10年。

「えっ？」

『この前のオーディション、受かったよ』

「ほんとに？！」

雑誌の取材に向かう車の中でマネージャーの"のんちゃん"に伝えたれた言葉。

少し前に王道恋愛映画のオーディションを受けた。

どうせ、だめだろな。

でもこの映画に出れたらきっと私の世界が変わる気がする。

弱気と強気の狭間で受けたオーディションは、見事に合格した。

「相手の人ってもう決まったの？！」

王道なラブストーリーを作らせたら右に出る者はいない！そう言われている監督は、いつもヒロインはオーディションで決める。
相手役の男のヒトは監督の独断で決めるらしい。

『あぁ、向こうが受けたらね』

「てことは、まだなんだ」

『ま、決まったらすぐ分かるでしょ！』

「若いコだったら嫌だなァ～！」

『そうだよね、アラサーだもんね』

「うおいっ！」

もうアラサーってよりもサーティに入ったところです。
いよいよアラサーを走り出して、そのうち完走しちゃいます。
そしてそのままアラフォーの仲間のドアを少しだけノックしちゃうところに行きそうです。

だからこそ、必死なんです。

「のんちゃーん！明日の予定ってオフのままだよね？」

『今のところはね』

「今のところ、って…」

急遽穴埋めで、誰かの代わりにお仕事になるかもしれない。
その穴埋め仕事を受け入れられたからこそ、テレビの中で輝くことが出来るようになったから、大事にしなきゃな。

…って、頭では理解してるものの、

「カンカンにやっと会えるの！」

『あー、はいはい』

妹のような、姉のような、
いや、歳を考えたらどう考えても妹。

橋本さんとこの環奈ちゃん。

環奈が福岡から上京してきて、一番最初に友だちになれたのがなにを隠そう！この私だ！へへへんっ。

どしどしとスターになっていく環奈は私と違って、休みなく映画を立て続けに撮影している。

そんな環奈と久しぶりに会える今日は、この日の為に今週は頑張ってきたんだもん。

「やだ！絶対会いたい！」