【夏油傑】怖い先輩 1

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遠くの方で何なら音がする




規則的な、甲高い耳に響く音。








うーん、、これは、アラーム…






私は朝はものすごく弱いのだ



設定した時間通りになったアラームを止めることすら億劫で、もう一度眠りについたく布団を頭から被る。







二度寝をかまそうと目をつぶったが


その時、脳裏に浮かんだ一人の先輩。







眠気でぼんやりしていた頭は一気に冴え、

慌ててアラーム止め、スマホを確認する。




「…まだ7時、危ない…」





私は1ヵ月前から1つ上の夏油傑先輩と付き合っている。


告白したのは私からだ。





呪霊操術という強い術式を持っていながら、特技は格闘技という体術にも努力を惜しまないところがカッコよかった。



その上仲間思いでとても優しい。




1年のとき何度か一緒に任務に行ったが、たくさん褒めてくれるし的確なアドバイスもくれる。






頭も良いし、心も広いし、何より最強。







私なんかには高嶺の花すぎる先輩だったが、


ダメ元で先月告白してみたら返事はOKだった。








１ヶ月付き合って分かったことは夏油先輩は非常にマメだ。





朝、任務前、任務後、帰宅中、睡眠前、

授業の合間の10分休憩中ですら何かと連絡してくる。







中でも怖いのが朝の連絡。




夏油先輩はいつも早起きで6時にはおはようのメッセージが送られてくるのだが、それには7時半前に返信した方がいい。



前に1度、スマホの充電をし忘れて寝てしまい、朝起きた時電源が切れていたことがあった。





特に気にすることなく、そのまま朝の準備をしていたら

急にドアのノックされ硝子さんかと思い開けたら目の前に居たのは夏油さん。





「朝ラインしたのに返信がなくて、7時半に電話もかけたけど繋がらなかったからまだ寝ているのかと。

遅刻するといけないから起こしにいたんだけど、なんだ、起きていたんだね」




あの時の冷たい虚無的な笑顔を思い出すと鳥肌が…





その後何故か感じる威圧感にビビりながらなんとか説明し、充電が完了したスマホを開いたときの通知の数には少しゾッとした。









とにかく朝は早く返信しなければいけない。



しばらくすると電話がかかってくるだろう、最悪また女子寮まで来てしまう。






「…おはようございます、よく寝れました、今日も頑張りましょう…と、送信完了！」







これが1か月前から出来た私の日課である。


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