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その『人間』、正体不明につき 和華 ページ15

「―――サーシャちゃんはとても強い。けれどサーシャちゃんの能力には、『人間以外」という制約が付いているわ。そこを突けば、勝ち目はあるはずよ」

「話は聞かせてもらったぜーっ!」

ファラーシャの声に、何者かが割り込んだ。バン!という音と共に、扉が無遠慮に開かれる。そこに立っていたのは、先刻博麗神社で会った、悪魔風の少女だった。全員の視線が、少女―――皇被華へと向かう。

「ファラーシャ、お前さんが妹ちゃんに乗っ取られそうなのは聞いた!私もサーシャドールの討伐を手伝いたい!いや、手伝わせろ!」

被華は人差し指をぴんと伸ばし、ファラーシャを指差した。ファラーシャは紅茶を一口口に含み、こくんと飲み込むと、凛とした目付きで被華を見る。

「ええ、協力してくれるのはありがたいわ。―――でも貴方、サーシャちゃんには操られないんでしょうね」

「モチのロン!私は人間でもあるからね!……あそうそう、ちょろっと重大なお知らせがあるんだけどさ」

被華はここで一旦区切り、場に居た和華とカノン、志貴、美優、美夜、桐真、ファラーシャの顔を順繰りに見てから、言った。

「―――もしかしたらこの異変で、世界滅ぶかもなんだけど」

空気が。

凍った。

「いやさ、難しいこたぁ置いといてざっくり説明すっと、今人妖が次々と消えてるじゃん?んでそれが外来人に及ぶと……辻褄が合わないだかで世界崩壊、みたいな」

被華がつらつらと異変の説明をする中で、和華は少しの違和感を覚えた。和華は唾を飲み、「少し良いですか」と被華の話に割り込む。

「人妖消失異変の概要は私も知っています。ですがそれは、サーシャさんではなく―――『影』という謎の人物ですよね?サーシャさんの幻想郷支配は計画段階で、何も起こしていません。つまり今話していたのは、影が起こした異変が世界に関わる、という話で良いんですか?」

和華は平常通りを装っていたが、実の所かなり被華を警戒していた。皇被華という人物はどうにも底が見えない。揚げ足をとるような形になっても指摘をしたのは、カノンらへの注意喚起の意味合いもあったからだ。先刻被華は「人間『でも』ある」と言った。含みがある嫌な言い方だ。

「あ、そうそう。いけないいけない、もうボケちゃって……って誰が年寄りじゃぁ!」

そんな風に言っておどける被華を、和華はどうにも信用しきれずにいた。

何処までも何処までも正体不明 被華→←やっべえ事聞いちゃった☆ 被華



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フウ(プロフ) - 更新しました (2022年8月2日 9時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 一次的にアクセスできませんって出ました・・・ (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します。少し設定変えます。 (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 記念すべき10巻目!作っておきます! (2022年7月10日 17時) (レス) @page50 id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。 (2022年7月10日 2時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年4月20日 17時

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