【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ45)

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蝶々と外来者　ファラーシャ・スカーレットページ45

身体の主導権を奪い返すためだいぶ無理をしてしまった。

恐らく、一時間ほどで身体の主導権はサーシャにもどされ、その後、この身体の主導権は一生サーシャのモノとなるだろう。

その前に早くしないと...アンテッドは基本不死身だから...

そう思い、私がドアに手を伸ばしたとき、床に倒れていた美夜がバッと起き上がった。

『さて妹様、何処に向かうおつもりで?』

私に殺気を向けつつ、ナイフを突き付けてくる美夜は迫力満点だ。

『もう、やーね。今度こそファラーシャよ。美夜。』

振り返ってニコッと微笑んであげると、私が本物だと分かったのか、殺気を消し、ナイフをポーチにしまった。

『あのね、美夜、時間がないの。外に早くいきましょう』

そう言う私にそれほど重要なことなのかと察したらしい美夜は、『では私は危険がないかみて回っておきます』と言い、彼女の能力で一瞬で外に出ていった。

『さて、私もいきますか』

夜空をそのまま写したかのような宝石が左右に７つずつついている、私が唯一自慢できる羽を広げ、スピードカーの様に飛ぶと0.1秒でついた。瞬時に羽をしまい、

｢あら…見ない顔ですね。｣
先に外に出ていたらしい美夜の声が聴こえる。
どうやら誰かと出くわしたらしい。
うーん、レミリア御姉様の客人だったら、どうしましょう...まぁ何とかなるか
と思いつつ美夜の後ろに隠れつつ、気配を消し、警戒態勢に入る。
｢怪しい者じゃないんですっ!!ただ1泊だけ止めて欲しくて!!｣
フム...口調からして幻想郷から来たばかりの外来人のようね。
美夜が悩むような素振りを見せているが、心のなかでとっくにこたえは決まっているのだろう…意地悪せずに答えて上げればいいのに...
恐らく彼女自身は答えてあげるつもりはさらさら無いのだろう。

｢あら。こんばんは｣
いかにも今来ました!というような雰囲気をだしつつ、美夜の後ろから出てくる。
｢すみませんっ!!一晩だけとめてくれませんか？｣
大声でそう言う彼女にかわいいなぁと思いつつ、美夜も思っているであろう言葉を投げ掛ける。
「ふふ、いいわよ。けど、一つだけ条件があるわ」
「な、なんでしょう?」
反応からして拷問等の恐ろしい事を考えてであろう彼女に落ち着かせるようにこう言った。

「私のお話を聞いてほしいの」
「へ?」
「私のお話を聞いてほしいの」
「そんな事でいいんですか?」
不思議そうに首を傾げる彼女に「ええ、そんな事でいいわ」と言ってから、「今夜は冷えるから早くお
部屋に入りましょ。」と彼女の肩を抱いて室内へと誘導した。