【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ5)

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任務　剣城ページ5

太陽の畑ー同時刻

幽香の家では二人の男女がゲームをしていた。

1人は風見幽香。太陽の畑の管理者である妖怪の女性。

そしてもう1人は、風原剣城。10日前に幻想入りした少年である。現在は幽香の家に義弟として居候中である。

｢よおっし！｣

剣城がガッツポーズと同時に叫んだ。

｢やっぱり勝てないわね。｣

幽香が頭を掻きながら言う。

｢でも幽香だって上手くなって来てるぞ。今回危なかったし。｣
｢まあ、私だってそれ練習してるからね。｣

こんな感じで2人がスローライフを送っていた…その時、

｢失礼するわ～。｣

ゲームモニターを邪魔するかのように紫がスキマから出てきた。

｢わあああ！？紫さーん！？｣
｢あら、どうしたの紫？｣

コントローラーを放り投げながら驚く剣城と至って冷静な幽香。

｢2人に頼み事があるわ。｣

紫は真面目な表情で2人に話す。

｢…この幻想郷に、異変が起ころうとしているわ。｣

その言葉を聞いて幽香は驚いた。剣城はピンと来ていない様子だ。

｢い…異変？｣
｢…大きく言えば、幻想郷の危機。｣
｢ええっ⁉｣

事の重大さを知った剣城。

｢そう。2人には今から、人里の路地裏に向かって欲しいわ。そこに、今回の異変の元凶が居る。そこには既に応援を向かわせているから、あなたたちにはその援護をしてもらいたいの。因みに、その元凶は殺さない事。｣
｢なるほどな。｣
｢人使いの荒い…。｣

納得した様子の剣城と面倒そうな幽香。

｢まあ、やるかやらないかは貴方達次第よ。無理ならば他の人に…。｣
と紫が言うと、

｢いや、やる。｣

食い気味に剣城が言った。

｢俺はこの世界に入ってまだ数日くらいしか経ってない。だからこの世界の事もよく知らない。でも…。少なくとも俺は、この世界を好きになった。俺にも、守らせてくれ！｣

堂々と、剣城は言った。

｢行くぞおおおおおおお！｣

5分後、準備を済ませた剣城は家を飛び出して行った。

｢あいつ、やる気満々ね。援護って言われたのを理解していないのかしら？｣

幽香が呆れた様に言う。

｢まあ、私的には主力でも援護役でもどっちでも良いわ。それよりも幽香。｣

紫は真面目な顔をして語り出す。

｢剣城を、死なせないでちょうだい。あいつは幻想郷に、追い風を吹かせてくれる存在よ。｣
｢紫、あいつの事、気に入ってるようね。｣
｢あら、お互い様じゃなくって？｣

2人は微笑み合い、幽香は家を出た。

こうして、2人の任務が始まった。