【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ11)

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うぇあ・いず・ぜあ？　神凪志貴ページ11

―――前略、母さんへ。
―――今まで勉強頑張らないですみませんでした。本当に反省してます。反省してるので、

「この状況は罰じゃないんだよなぁぁぁ⁉」

ひゅううう、と耳の中で風が逆巻く。只今の状況を簡潔に言い表すと、絶賛上空から落下中だ。上を向けば綺麗な青空、下を向けば容赦なく近づいてくる大地。なぜだ。どうしてこうなった。俺は記憶を手繰り寄せる。

一、ホワイトハウスの警備システムにハックした。
二、逆探知に気付かず怖いお兄さんに囲まれた。
三、多分逃亡中にトラックに撥ねられた。
四、なんか落下してる。

―――どういうことだよ！

俺はエア台パンする。かといって落ちる速さは遅くなる筈もなく、むしろ加速しているような……
眼前にはでかい湖とでかい御屋敷(？)がある。なんか御屋敷の屋根にはでかい風穴が空いていて、俺がそのまま落ちてくとそこにすっぽり入るような気がする。てか、もう五〇メートルも離れてない距離にそれがある。

「待て待て、ちょっと待て！このまま行くと俺死ぬんじゃ―――ひぃ、ぎゃあー！」

多分数百メートルはゆうに落ちて来たのだろう。俺は快速電車並みのスピードで風穴に飛び込み、気付けば目の前が真っ赤に―――。

「うわっ！咲夜様(親方)、空から人間らしきものが―――って、あんた！」

―――やべぇ、なんか聞き覚えのある奴の声がする。しかも人生で一番付き合いが長い奴の。

幻聴かと思ったが、どうも幻聴じゃないらしい。……てかあんな高さから落ちてきたのにどこも痛くないし。むしろ下がカーペットっぽいから気分極楽だし。
俺は頭から突っ込んだ体勢から、ゆっくりと起き上がった。俺が今しがた通った風穴から日が差し込んでいて、周囲は結構瓦礫が多い。そして首を回すと、どーにも見覚えがある奴の顔が飛び込んできた。

「……え、なんでお前居んの？ひょっとしてここ浄土だったりする？お前も死んだりした感じか？―――なぁ、カノン」

俺は溜息交じりで聞いた。ぼさぼさの髪としわくちゃの服は昔から変わらないままで、こいつはまだ引きこもってんだなぁと感じる。ヘッドホンとか眼鏡とか長い前髪とか、こいつは本当に人と関わりたくないんだなぁと俺が再確認したところで、そいつは口を開いた。

「―――何か、言うべき事があるんじゃないの、志貴？」

「……あー、えと、ここどこ？」

「英語で言うと？」

「う、うぇあいずぜあ？」

「なんでt入れるんだよ馬鹿、中学校からやり直せ」

カノンは言って、俺は一発殴られた。

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天洲秋様へ
勝手に復元してしまい申し訳ございません