【募集企画】東方幻想記録物語7巻

冥界からの傍観者、参戦！ 西行寺魂々葉 ページ8

望山穂花が起こした異変…その元凶である結界の亀裂は直され、雪舞桜の暴走は止まった。これ以上妖怪を暴走させておく必要はない。妖怪が他の種族を襲う、という現象は、今後の幻想郷の人々の行動を大きく制限するだろう。と言うか、結界の亀裂をどうにかするための異変が妖怪暴走化っておかしくない？なんか異変の元凶の望山穂花はかっこいい感じの台詞決めてるし、自己犠牲感醸し出してるけどそれってただのストレス発さわぶっ！？

「いたたたた…何これ…石畳の突起に引っかかったの？びっくりした…」

独り言モード(通称・絶対領域)に移行しかけた冥界の和風黒ゴスロリ少女・西行寺魂々葉は白玉楼の前の石畳で足をぺたんと地面につけた女の子座りをしていた(ちなみに彼女は亡霊のはずなのだが足はある)。
周囲に浮かぶ人魂、桜色に白が一束混ざっている肩までの髪、整ってはいるものの、子供だったら泣いて逃げ出すレベルで目つきが悪い黒の瞳と目の下に深く刻まれた隈のせいで徹夜明けのOLみたいになっている顔を持ち、フリルとレースまみれのぶかぶかの漆黒の和風ドレスやこれまたぶかぶかなルーズソックスを纏った冥界の亡霊少女・魂々葉はゆっくりとした上品な所作で右足を立てて立ち上がり、再び顕界の様子見を始めた。

「ふうん…雪舞はなんとかなったのね。って、また外来人増えてるし…あの女狐、死者を管理するこっちの身にもなれっての。ったく、望山穂花は雲隠れするし霧雨魔法店の主は外来人と遊んでるし！こう言う時こそでしゃばれよあんにゃろー！…はあ、仕方ない…私が出向いてやりますか」

魂々葉は面倒くさそうにため息をつき踵を返すと、濃い灰色のストラップシューズをカツンと鳴らし、顕界へ繋がる馬鹿長い階段を降り始めた。

＿＿＿＿＿＿＿

「さってと、まずは雪舞を保護して、その後元凶に会いに行こうかしら」
顕界に降り立った魂々葉は、萌え袖を優に超える長さの袖で口元を隠しながら、歌うように呟いた。特に地図や道案内もなく、迷いなく魂々葉は人間の里を歩いていく。里の外れのあたりにくると、どこからか話し声が聞こえてきた。
「…ちゃん……たんだ…かえりぃぃぃ」「…くらさまぁぁぁぁぁぁ」「…！ストップです！」
「桜様、妹が失礼しました」「嫌そんな大丈夫だよ！ほら！頭を上げて！」
「あの人達ね、はいはい。…なんか、あのテンション苦手だ」
実はコミュ症な魂々葉は忌々しげにつぶやくと、ゆっくりと集団に近付いた。

「あの…異変の元凶を倒しにいきませんか？」

中立の無限は忠告する→←今日の晩御飯は焼き鳥だぜヒャッハー！！　　将也

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す