【募集企画】東方幻想記録物語7巻 (ページ34)

今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:3,271 hit

はじまる異変解決劇　和華ページ34

「クソッタレの異変の主犯め…こんな面倒なことしやがって…さっさと元に戻せ。そして、死ね。私の安寧のためにな」

和華はそう言って、主犯の少女を思い切りぶん殴り、足を踏みつけて体重をかけ、全力で脛を蹴りつけてやる。
和華のスカートの中にはレーダーが入っている。いつもの如くパーカーをちぎって生み出したマジックアイテムで、魔力を解析し位置を特定するという優れものだ。今回は操られていた妖怪から漏れ出していた魔力を解析させた。特定するが早いか和華は土からどこでもドアを作り出してやってきたと言うわけだ。玲雷を置いて。

「フフフハ…アハハハ！アハハ、アハハハハ！ナンジャオ主ハ！愉快ジャ、何ト愉快ジャロウ！イイゾ、構ワン！オ主ノ手デ殺シニ来ルノジャ！」

主犯がゲラゲラ笑っている。不快だ。和華は恨めしそうに主犯を睨みつける。同時に空夜達や美咲、桃色の髪の亡霊っぽい人がいっぱい来て＿＿花鈴が居るのに今気づいた＿＿プ◯キュアオールスターズのような風景になっている。和華はまた面倒なことになったんだろうと頭を抱えるが、悪い気はしなかった。異変解決劇の舞台に、端役と言えどそこに立っているのだから。主犯への憎悪そのままに突っ込んでいくのも考えたが、折角大勢来たのだから派手にやってやろう、と和華は思う。

「さあ、戦いの時間だね。ここに立っているのは特例を除いて操られていない人間だけ。人間の力で、女神様に勝ってやろうじゃないか」

空夜が全員に語りかける。全くもってその通りだ。今から和華達は乱心を起こした女神に引導を渡し、神に勝つのだ。しかも、人間だけで。

「その通り、です。私達、人間だけの、力で、望山穂花を、打ち倒しましょう」

そう言いながら空から落ちてきたのは、灰色の和装の少女だった。和装の少女は丁寧に腰を折って礼をし、「八百陣結憂です」と自己紹介して回った。
異変解決屋大集合の図を眺め、穂花は更に上機嫌そうに笑った。

「アハハハハ！ナンジャオ主達ハ！最高ジャ！コレ程ノ人間達ト妾デ！殺シ合ウノカ！良イゾ、来イ！」

桃髪の亡霊が、十六夜空夜が、桜井美咲が、双子の幼女達が、純白の修道女が、鎌を背負った妖精が、日本刀を構えた少年が、巫女っぽい服の双子達が、色違い霊夢のような少女が、その少女に寄り添う少女が、紅花鈴が、八百陣結憂が、そして、和華が。
一斉に力を使った。
眩いばかりの光が、その山全体を覆った。その瞬間、和華は思った。

ああ、私は今、幻想郷に居るんだ、と。