【募集企画】東方幻想記録物語7巻

動かすものは楽なものばかりじゃないよ　黒岩将也 ページ30

「おーい、ちょっとー、聞いてるかー?」

いきなりバトってしまったお二方に声をかけて見たが全くの無反応。オイコラ。
ついでになんか周りに沢山いた人達もいなくなってるし。

「他の人たち殆どいなくなってるんですけどー」

再度空中で弾幕ごっこを繰り広げているお二方に話しかけるも全くの無反応。聞けよコラ。

「何でこうなるかなぁ...」

もう何人かすでに主犯の所に向かってる+勝負まで始めちゃってる始末。つまり、完全にオレらは遅れてるってことになる。さっきまでの団結力はどうしたお前ら。
そして今も変わらず戦闘は続いており、激しさも増している。こりゃ強制終了させるしかねーな。

「しゃーない、落とすか...」

オレはパーカーのポケットから一枚のカードを取り出し、それを空中で戦っている二人に向けて宣言する。

「スペルカード発動『動符』ポルターガイスト」

宣言すると同時に、二人の動きがピタリと止まった。どうやら効いてるようだ。ラッキー。
そしてオレは現在進行形で上げ続けている右手を勢いよく下ろす。するとあら不思議。雪華と空夜が誰かに引っ張られているかのように落ちていくではありませんか。
そうしたら後は受け止めるだけの簡単なオシゴト。
最後にテレポートで目的地まで連れていけばミッションコンプリート。まぁ身の安全は保証されないけどな。(特にオレが)
しかし、ここからが本番。下ろすときは特に集中しないといけない。下手すりゃ顔面から落っこちることになりかねないからな。

「慎重に...あっ、マズイ時間切れだ」

実はこのスペル、耐久スペルとして作っていたため、時間制限がある。と言うわけで時間が切れると当然スペルの効果も切れるわけで...
二人、雪華と空夜は顔面からとまでは行かなかったものの尻餅をつくという形で落下してしまった。本当に申し訳無い。
オレは遺言と死ぬ決意を胸に、雪華と空夜に謝りに向かった。

「カンベンしてくれ...」

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