妖怪退治 リリティア ページ26
「あー、うまかった」
向かいに座っているフィーレが満足そうに呟いた。リリティアはその様子を確認すると、「じゃあ行きましょうか」と席を立った。フィーレが会計について尋ねると、リリティアは上機嫌そうに「もう払っておきましたよ、私名義で」と言う。
異変の解決に向かう為二人は店を出て、街をふらふらと歩き始めた。無論、行き当たりばったりではない。二人は双方とも非常に強力な妖怪(リリティアは妖怪というジャンルに入るか微妙だが)なので、街を喋りながら散策しつつ異変の主犯を探しているのだ。二人にしてみれば、こんな事は暇潰しにすらならない。
「暇ですねえ、しりとりしません?」
「どっちにしたって暇だろう、大人同士のしりとりほどつまらんものはないぞ…いや、お前は大人じゃないか」
「そうですかー、じゃあなんか面白いこと言ってくださいよ」
「急だな⁉」
なんてやりとりをしつつ、主犯のもとへ向かって行く。
リリティアはなんとなく、勝ち戦な気がしていた。なにゆえこのような異変を起こすに至ったのかは推し測りかねるが、相手が相当なやり手ならば自分の力で幻想郷を荒らすだろう。しかし、主犯はそれをせず、妖怪を操るという選択を採った。つまり、主犯は自分の力で幻想郷を荒らす事が出来ないと踏んでこの手段を選んだのだ。自分を信じる事が出来ない相手に負けるはずがない。
二人は歩きながら、主犯ところへ行った。主犯は山奥に、ひっそりと佇んでいた。腰の辺りまで伸びた雪のように白い髪と肌、灰色の瞳が特徴的だ。萌え袖のシャツと黒いスカート、白い靴下、灰色の靴を身につけていて、どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。見た目に準じるとすれば幼女だが、幼女の顔をした数百歳越えの妖怪が幻想郷にはごろごろ転がっているためアテにはならないだろう。
「お主らは何者じゃ…妾を退治しに来たのか」
「はじめまして、その通りですよお嬢さん。私はリリティア=ロレンツェティと申します。神に興味があるか、過去の罪に心当たりがある場合里の教会までお越し下さい。それで、貴女が異変の主犯でいいんですよね?」
「相変わらずまどろっこしい挨拶だな。さっさとぶちのめしゃあいいだろう。一応言っておくが、俺はフィーレだ。妖精…ってことは見りゃわかるだろ」
主犯は不快そうに二人を睨んだ。リリティアはにこやかに笑って、言った。
「では貴女を退治させて頂きますね。幻想郷を脅かす、主犯のお嬢さん」
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うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新します! (2022年3月28日 16時) (レス) id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 次巻作らせて頂きます!!! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいになったみたいです! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - では、私も更新させて頂きます! (2022年1月2日 11時) (レス) @page49 id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 更新しました! (2021年12月31日 15時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2021年4月3日 9時