妖怪探知 空夜 ページ22
リリティア=ロレンツェティが走り去っていった跡を、空夜はぼんやりと眺めていた。なんやかんやあったが、どうにも根本的に事態は進展しておらず、兎にも角にも今は望山穂花を退治しに行かなければというのが空夜の所見である。
(ま、感動の再会やら何やらもあったし、どうやらリリティアさんも異変の解決に動くっぽいから私としては退屈してないけど)
「で、お前らはこんな所で何やってんだ?今異変が起きてるらしいんだが、それには関係あるのか?」
ふと、外来人(正確に言うと未来人が正しいのだが未来の方では住民認定された外来人)である黒岩将也が口を開いた。
空夜は、将也に軽く異変の説明をする。妖怪が暴走していること、異変に紫が関わっていること、その主犯は妖怪の神である望山穂花であること。そして空夜達はこれから主犯を倒しに行くということ。
なぜこんな親切に一から十まで伝えるかというと、空夜は将也に興味があるからだ。彼が元々居たという未来の幻想郷の事は大変興味深いし、彼の『霊、魔、妖の力を操る程度の能力』も気になる。それにもう一つの、『時間軸を移動する程度の能力』の詳細も気になるところだ。だから、将也に情報を色々与え、異変解決を手伝わせることでどう立ち回るのかを観察したいという狙いがあった。
将也は空夜の説明を聞き終わると、「なるほどな」と言って考え込んだ。空夜は将也にその常識外れの美人顔を向け、にっこりといつも通りの意地悪そうな胡散臭い笑みを浮かべながら言った。
「それで一つ相談なんだが、君の能力は妖怪を探知することは可能かい?もし出来れば、望山穂花の居場所を特定して欲しいんだ。まあ出来ないなら私の能力を使うまでなんだけどね。彼女の力は強大だから、すぐに分かるはずだよ」
将也は若干たじろぎつつ、「まあ、出来るんじゃないか」と返事をした。今の質問に関して、空夜は将也にそれが出来ると理解していて言った。
その前提を裏付けるのは、空夜の二つの能力のうちの一つである、『全てを知る程度の能力』だ。この力は単純に幻想郷の内外問わず情報を仕入れられるのみならず、使いようによっては読心などにも応用が可能な代物である。尤も、幻想郷の外の知識は幻想郷の人間にとって有害な物である為にこの力は空夜にしか扱えないのだが。
空夜は将也に頼んで、穂花の居場所の探知をしてもらう。そしてその結果が出るまで、鼻歌を歌いながら待つ。
空夜は心躍っていた。目新しいものばかりの、この状況に。
白狼天牙『椛』 犬走影→←異変に巻き込まれる頻度がバグっているような気がする 和華
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うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新します! (2022年3月28日 16時) (レス) id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 次巻作らせて頂きます!!! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいになったみたいです! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - では、私も更新させて頂きます! (2022年1月2日 11時) (レス) @page49 id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 更新しました! (2021年12月31日 15時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2021年4月3日 9時