【募集企画】東方幻想記録物語7巻 (ページ20)

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共闘＿八百陣結憂ページ20

八百陣結憂は、戦っていた。
(なるほど、一匹一匹は、弱いですが、量で、押し切っている、ようです)
大量の妖怪が結憂を取り囲む。結憂はスペルカードを発動し、彼女の膨大な霊力を用いて妖怪を一気に吹っ飛ばす！
しかし、数が数だ。いくら魔力や霊力が膨大とはいえ、この数を相手していたらまず間違いなくジリ貧でやられる。どこかで上手く撒くか、一撃必殺で一か八か大技を仕掛けるかのどちらかに絞られてくるだろう。だが、どちらもリスクがある。何処かで突破口を開かなければいけない。
そう思っていると、結憂の傍に人影が現れた。
結憂は驚いて振り向く。

「結憂、困ってるみたいじゃない。助けてあげましょうか？友人のよしみで」

絹糸のような金髪と、深みのある紫色の瞳。飛び抜けた美人顔に胡散臭い笑顔を浮かべる、高身長の女性―――八雲紫。
幻想郷の賢者であり、結憂の友人。

「感謝、申し上げます。さっきの、貸しは、早速、返されましたが」
「あら。私、貴方に借りなんてあったかしら？」
「本当に、胡散臭い、人です。まあ、そこが、面白いのですが」
「うふふ、『名家』八百陣家の人間にお褒めに預かり光栄ね。じゃあ、さくっとやって異変解決へ向かっちゃいましょうか」

紫と結憂は顔を見合わせて、おかしそうにくすくす笑った。そして前を向くと、急に真面目な顔つきになり、スペルカードを準備した。
凛とした声で、結憂が言う。

「私は、あと、カード三枚で、ケリをつけます。スペルカード、発動。結界霊符『夢想結界』」

艶やかな声で、紫が言う。

「じゃあ私も三枚にするわ。スペルカード発動。魍魎『二重黒死蝶』」

スペルカードを発動した瞬間、色鮮やかな美しい弾幕が展開される。
美しく、そして殺意のこもった、容赦など全くない超高密度弾幕だ。弾幕は妖怪を追い詰め、苦しめ、倒れさせる。
そして二人が三枚使い切る頃には、立っていられる妖怪は一匹たりともいなくなっていた。
結憂の、祓魔師としての圧倒的すぎる結界の強力さ、そして段違いな破壊力。
紫の、幻想郷の賢者としての圧倒的すぎる能力、そして相手を苦しめる策略。
人間としては最高クラスの力と、妖怪の中では最高クラスの力。
二つが合わされば、敵などいるわけがない。

「意外と、あっという間でしたね」
「そうねー、これ私必要だったのかしら」
「まあ、いいです。それはそうと、早く、望山穂花を、倒しに、行かなければ、いけません」
「じゃあ行くわよ」

二人は、隙間に落ちていった。