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目に少女/里の甘味屋/ビッグパフェ(五七五)_リリティア ページ17

「あ、知り合いが居ます!私はここで失礼しますね」

周囲に目をやってから笑顔でそう言い放ち、霊華や魂々葉達の所から立ち去ったリリティアは、一人の少女の元へ走っていった。短い黒髪を紫のリボンで結び、背中の左側だけ羽が生えている赤い瞳の少女だ。リリティアは少女の背後に到達すると、つんつんと肩を叩き、「フィーレさんっ」と声を掛けた。

「はぁお前かよ、リリティア。どうしたんだ今日は?」
「あら、用がなくても友人を見つけたら話しかけにはいかないのですか?」
「俺はお前と仲良くした覚えはないけどな」
「そうでしたっけ?甘いもの食べたいですね」
「話を聞けよ!…まあわからんでもないが、今日は付き合えないぞ。もう色々食べてきた後なんだ。財布が大分寂しい」
「まあまあ。奢ってあげますからいつもの所行きましょうよ」
「…おお、本当か!」
「じゃあ、行きましょうか」

リリティアは友人の少女__フィーレと一緒に、よく通っている甘味処へ入った。席に着いてメニュー表を眺めたあとリリティアは大きなパフェを注文すると、フィーレに「半分こしましょう」と笑いかけた。

「で、今日は何を食べてきたんですか?反応的にパフェじゃないですよね」
「ああ、そうだ。お前に話してやろうと思っててな。今日はパフェじゃないものがちょっと食べたくなって、団子や羊羹なんかを食べ歩いてたんだ。結構いい店が見つかったぞ」
「へえ、そうですか。今度行きたいですね。そういえば私も美味しい茶葉をこの前見つけまして」
「お、そうなのか。俺は紅茶よりも緑茶派なんだが、そいつは気になるな」
「でしょう?今度教会に来たら紅茶とお菓子とお花を完備した素敵なティータイムを提供しますよ。アフタヌーンティーは英国の文化ですからイギリス清教の管轄なんですけどね」
「ナントカ清教は知らんが、気が向いたら行くよ」

雑談をしているうちに、パフェが運ばれてきた。高さ40cm、直径30cmの器に入った大きなパフェに、フィーレは目を輝かせた。それを見て、リリティアも微笑んだ。
フィーレがスプーンをパフェに刺すと、リリティアは思い出したように、

「そういえば、今異変の真っ最中なんだそうですよ」
「そうらしいな。俺は仕事があるから大して興味は無いが、お前は行くのか?」
「行きますよ。フィーレさんも行ってくださいよ。お代はこのパフェの三分の二で。行かないなら私が食べちゃいます」

「お前…汚いってよく言われないか」

「なんとでも」

フィーレは「…わあったよ」と渋々返事した。しかし、「このパフェ食ってからな」と抵抗をするのだった。

科学屋の出番_桜井美咲→←食べ歩きには注意が必要 フィーレ



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うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新します! (2022年3月28日 16時) (レス) id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 次巻作らせて頂きます!!! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいになったみたいです! (2022年1月2日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
素甘町(プロフ) - では、私も更新させて頂きます! (2022年1月2日 11時) (レス) @page49 id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
天洲秋(プロフ) - 更新しました! (2021年12月31日 15時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2021年4月3日 9時

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