72#潤side ページ25
潤side
朝いつものように楽屋に入っていったら珍しく翔さんがいなくて……
かずがいた。
おはよう！って挨拶すると
”おはよう！潤くん！”
って、微笑んでいた。
……違う……
昨日までと変わった？
何がって言えないけど、そこにはちゃんとかずがいた。
そんなかずは……
俺を見て褐色の瞳を僅かに揺らした。
でも、
”何？
潤くん、そんなに俺に会いたかったの？ﾌﾌｯ”
そんな風に言いながら抱きついてきたかず。
俺は……
俺は気づかないうちに涙を零していた。
ほんとは泣いちゃいけない。
けど……、
俺は感じていた。
かずは…、
かずは前を向いて歩き出した。
翔side
朝一で取材を終えてメンバーの待つ楽屋に入ったら……
かずが潤に抱きついてた。
潤の顔は見えなかったけどかずは……
かずの瞳は涙で潤んでいた。
俺に気づいてないかずは……
音のない言葉で
ありがとう……
確かにそう言っていた。
抱きつかれてる潤には見えてないけど、確かにそう言ってたんだ。
それから俺に気づいて……
”翔ちゃん！
おはよ？
遅かったね？”
って昨日までとは違う光の宿った瞳で俺をみた。
何があった？
昨晩雅紀がおかしかったのは関係あるのか？
昨夜、生放送が終わって移動車の中、ウトウトしていたら着信がきた。
雅紀だった。
なんでもないって言うけどなんでもない訳が無い。
雅紀はなんにもないのにこんな時間に電話してくる奴じゃない。
あいつは人一倍気を使う奴だから……
行き先変更して雅紀の家に言ったら
何も言わない。
俺に風呂を勧めて、出てくりゃあ酒を用意してた。
ふと見ればありえない缶の数(苦笑)
なんかあったな？
すぐにそう思った。
酔えなくてどうしようもなくて俺に電話してきたってことか。
何も言わず２人で飲んで、ふと見ると雅紀の目の焦点があってない(苦笑)。
そんな雅紀が眠そうにしながら
”にのは大丈夫だよね？
ね？りーだぁー？………”
そう言いながら寝てしまった。
智君？
そっか、雅紀は智君にかずを任せたんだな。
雅紀、その選択は正しいと思うよ？
そんな風に思いながら俺もそのまま寝た。
かずの変化……
智君が動いたのか？
何があった？
いや、何でもいい。
かずは、前の向いて歩き出した。
そう感じている俺が確かにそこにいたんだ。
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作者名：きらきら | 作成日時：2014年11月14日 18時
