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52#雅紀side ページ3
雅紀side
にのは……
完璧だった。
完璧に二宮和也を、嵐の二宮和也を演じていた。
そりゃあ、にのはハリウッドにも行っちゃうようなすごい役者だけど……
でも、違う！
これはにのであってにのじゃない。
そんな風に思ったんだ。
俺はにのが本当のにのになれる場所、家に行った。
いつもなら
”なにしきたんです？
呼んでませんけど……(笑)”
なんて言って俺をからかうにのが何も言わずにドアを開けた。
俺が見えてるのか、見えてないのか、そんな瞳でドアを開けるとまたリビングに戻っていく……
そして床にぺたっと座るとそのまままた涙を流す……
そんなにのを見て辛くないわけじゃない。
でも……
俺に何が出来るだろう……
考えても考えても答えは出なかった。
それで気づいたんだ。
俺ができることなんて何もないんだよ。
そう。
そもそも何か出来ると思う方がおかしいのかもしれない。
でも、にののそばにいたかった。
いてやりたかったんじゃない。
俺が、そばにいたかったんだ。
だから俺はにのの隣で一緒に泣いた。
泣いてやったんじゃない。
俺が泣きたくなったから……
でも帰るときにはちゃんと笑顔で帰ること。
それだけは心に決めていた。
にのも涙の後には笑える日がくることを祈りながら……
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作者名：きらきら | 作成日時：2014年11月14日 18時
