11 JMside ページ11
今日のA
やけにグイグイくる
他の男にもこんな行動をしてると思うとモヤモヤする
でも、やっぱり...
JM『かわいい』
心の中で抑えきれなくなった"かわいい"が溢れて
声に出てしまった
でも、Aには聞こえてなくて
"良かった"と思う反面
"気づいて欲しかった"と思う僕がいた
いつもは感じない気持ち
ドキドキしたかと思えば
モヤモヤしたり
顔が噴火するんじゃないかと思うくらい熱くなったり
Aのせいで忙しい
さっきだって
Aがうっとりとした目でナムさんのことを見てて
心の中がモヤモヤした
今すぐにでも
嵐になるんじゃないかってくらい
それ以外にも
ナムさんにヤキモチを妬いたことは沢山ある
中学の時
僕は、仲が良かったAと
いつも一緒に帰っていた
その時間は
2人きりで
すごく幸せだったけど
僕の部活が終わるまで
楽しそうにAと話している
ナムさんを見て
何度も
何度も
数え切れないほど
モヤモヤした
ヤキモチを妬いた
嫉妬した
そして
嫉妬する度に
"Aが自分のものになってくれたらなぁ"
なんて叶うはずもないことを考えていた
そんなことを思い出していて
ふと、現実に戻った時
Aは僕の顔を覗き込んでいた
いきなりの展開で
それだけでも
心臓が破裂しそうなのに
『カトク...交換...して...くれるよ...ね？』
なんて上目遣いで言ってくるから
頭の中は
"かわいい"
で埋め尽くされてしまった
そして
"かわいいAをもっと見たい"
という気持ちになってしまい
Aをいじめるように軽い返事をした
その途端
僕の反応が期待はずれだったかのように
Aの顔は
悔しさの半分
悲しい表情になっていた
そんなAの顔もかわいくて
もっといじめたくて
もっとその顔を見たくて
僕はふざけた声のトーンで
JM『てか、なんで僕達あんなに仲良かったのに
カトク交換しなかったんだろーね笑』
と言った
でも
Aの反応は
さっきと全く違うものだった
僕には
Aのこの表情が何を表しているのか
すぐにわかった
行動や見た目が変わっても
やっぱりAだ
変わってない
悲しいとき
無理して笑うとこ
笑ったら細くなる
目は
今にも涙が溢れそうなくらい
キラキラ輝いていた
そんなAの顔を
早く笑顔にしたくて
Aに微笑みながら
JM『大丈夫だよ？僕はここにいるよ？』
といった
そして
抱きしめた
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作者名：はっさく | 作成日時：2021年2月23日 0時
