おとうと ページ34
翔side
翔「ただいまー。」
玄関を開けると、雅紀の泣き声が聞こえる。
また何かやらかしたかな、とのんきに考えつつ、リビングのドアを開けると、雅紀の泣き声が一段と大きくなった。
潤「ダメでしょ！何でこんなことしたの！」
雅紀の前には角が生えていそうな鬼…もとい、潤が立っている。
お帰り、とキッチンに立つ和也が小声で話しかけてきた。
和「和室の障子に、穴開けて遊んじゃったみたいで…。」
翔「あー…そりゃぁしょうがないか…。」
なんて言ってるけど、内心雅紀の気持ちがわからないでもない。
だって、あれ楽しいもんな。
そんなことを考えつつネクタイを緩めていると、潤と目があった。
その目はまるで「余計な口出しするなよ！」と物語っているようだったけど、俺の可愛い雅紀がしゃくり上げるほど泣いているのを見てしまうと、やっぱり助けてあげたくなってしまう。
翔「…あのさ、潤。」
潤「翔兄は黙ってて。」
…まだ何も言っていないのに。
可愛い雅紀は助けたい。
でも、鬼のような潤は怖い。
…いや、潤も可愛い弟ですけどね。
さて、どうしようか。
考えあぐねいでいると、隣に和也が来た。
和「…まったく…本当、雅紀には甘いんだから。」
翔「…しょうがないだろ、だって可愛いんだから。」
和「僕も潤も、翔兄の弟ってことじゃ、雅紀と変わらないはずなんですけど？」
面白そうに笑う和也。
翔「何言ってんだ。お前も潤も、もうしっかりしてるじゃないか。まぁそれでも、俺の可愛い弟に変わりはないけどな。」
和「んふふ。じゃぁ今日は、ヘタレってことにはしないでおいてあげますよ。」
そうやって笑う和也は、俺より一歩前に出た。
…まったく。本当素直じゃないんだから。
和「じゅーん。ほら、今日はそこまでにしておきな。」
潤「和兄！」
和「ね、雅紀だってもうやっちゃいけないってことはわかったでしょ？」
雅「ひっく…ごめ…ぐすっ…しゃい…。」
泣かないよ？と和也が雅紀を抱き上げる。
「しょうがないなぁ…」と呟いた潤が、溜息をついた。
涙で濡れた頬を、潤が拭ってやる。
さっきとはうってかわって、思いっきり雅紀を甘やかそうとする二人。
和也と潤だって、雅紀が可愛くて可愛くてしょうがないんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき♪( ´∀｀) - こんばんゎ!!始めましてゆりかごって言う作品読んでみたいんですけど送り方が分からなかったので此方に送りました。キラキラ星って言う作品良いですね♪すみませんお手数お掛けしますがパスワード教えて頂けませんでしょうか? (2015年1月21日 21時) (
レス) id: f29c16c0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - 今晩は、はじめまして。みさと申します。はるやんさんの作品はどれも面白くついつい時間を忘れて読みふけっています そこではるやんにお願いがあります 陽だまりの家とゆりかごのパスワードを教えて頂けないでしょうか 宜しくお願いしますm(._.)m (2015年1月10日 21時) (レス) id: 2e99fe0a4f (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - なおこさん» こんばんは、初めまして。お返事遅くなってしまい、ごめんなさい。姪っ子さん、赤ちゃんなんですね。羨ましい〜！ちびちびと更新していきますので、良かったらまたいらしてくださいね。 (2014年9月1日 23時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
なおこ(プロフ) - こんばんは。初めまして。以前から何度か読ませてもらってましたが、『2年前』を拝見して感想を書かせてもらいました。姪が今まさに雅紀くん状態です。すごくはまってます。これからも楽しいお話待ってます。お邪魔しました。 (2014年8月20日 23時) (レス) id: 7ef08442a3 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - 黒薔薇さん» こんにちは。お返事遅くなってごめんなさい。小さな手は多分体験された方も多いのでは…？と思いながら書きました＾＾パスの件ですが、ここではお教えできません。詳しくはゆりかごの説明文を読んでみてくださいね。お手数おかけしてすいません。 (2014年8月12日 17時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるやん
| 作成日時：2014年2月28日 23時
