「ありがとう」の花束を８ ページ30
翔side
『一か月だけ、バイトさせてくださいっ！！』
「短期のバイトは募集していなかったのですが、凄い必死だったので、事情を聴いてみたんです。」
『母の日に、兄達に親孝行したいんです。』
「最初、何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。だけど、その時の雅紀君の顔は真剣そのもので、決して冗談を言っているのではないと思いました。」
そこまで話すと、松岡さんは一息ついた。
そして、深々と頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。本人の頼みとはいえ、未成年の彼を、私の勝手な判断で働かせてしまい…。」
智「やめてください。寧ろ、こちらこそ申し訳ありません。弟の我儘を聞いていただき、ありがとうございました。」
松岡さんが、おずおずと頭を上げる。
「ご家庭の事情を、雅紀君が話してくれました。両親はいないけれどお兄さんが四人いるから寂しくないんだって、いつも笑って話してくれていました。お兄さんたちは、自分にとって、兄であり親でもあるから、母の日にプレゼントしたいって。」
翔「…そんなことを。」
「えぇ、言っていましたよ。本当に、良い子ですね。最近では珍しいくらいの、素直な真っ直ぐな子だと思いました。」
和「それが、長所でもあり短所でもあるんですが…。」
「ふふっ。そうも言えますね。」
潤「そういえば、雅紀は何の準備をしているんでしょうか。」
そういえば、そうだ。
今日はてっきり、雅紀が「俺が奢るから！」とでも言うと思っていたのだけど、あれっきり姿を現していない。
「きっと、もうすぐ来ますよ。」
松岡さんがそう言うのと同じタイミングで、戸がガラッと開いた。
雅「お待たせー！」
和「噂をすればなんとやら。」
両手でようやく持てるほどの大皿を抱えた雅紀と数人の店員さん達が、部屋に入ってくる。
テーブルに置かれた皿には、刺身が綺麗に盛り付けられていた。
そして、その周りには蕎麦、ハンバーグ、パスタ、唐揚げなどなど。
「雅紀、上達したな。」
雅「でしょでしょ？！俺、頑張ったよね！？」
松岡さんが、雅紀とハイタッチを交わす。
え？ということは？
智「…え、これ、雅紀が作ったの？」
雅「うんっ！！ぜーんぶ、俺が作ったの。」
信じられない。
きっとそれが顔に出ていたのだろう。
松岡さんが、笑って助け舟を出してくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき♪( ´∀｀) - こんばんゎ!!始めましてゆりかごって言う作品読んでみたいんですけど送り方が分からなかったので此方に送りました。キラキラ星って言う作品良いですね♪すみませんお手数お掛けしますがパスワード教えて頂けませんでしょうか? (2015年1月21日 21時) (
レス) id: f29c16c0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - 今晩は、はじめまして。みさと申します。はるやんさんの作品はどれも面白くついつい時間を忘れて読みふけっています そこではるやんにお願いがあります 陽だまりの家とゆりかごのパスワードを教えて頂けないでしょうか 宜しくお願いしますm(._.)m (2015年1月10日 21時) (レス) id: 2e99fe0a4f (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - なおこさん» こんばんは、初めまして。お返事遅くなってしまい、ごめんなさい。姪っ子さん、赤ちゃんなんですね。羨ましい〜！ちびちびと更新していきますので、良かったらまたいらしてくださいね。 (2014年9月1日 23時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
なおこ(プロフ) - こんばんは。初めまして。以前から何度か読ませてもらってましたが、『2年前』を拝見して感想を書かせてもらいました。姪が今まさに雅紀くん状態です。すごくはまってます。これからも楽しいお話待ってます。お邪魔しました。 (2014年8月20日 23時) (レス) id: 7ef08442a3 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - 黒薔薇さん» こんにちは。お返事遅くなってごめんなさい。小さな手は多分体験された方も多いのでは…？と思いながら書きました＾＾パスの件ですが、ここではお教えできません。詳しくはゆりかごの説明文を読んでみてくださいね。お手数おかけしてすいません。 (2014年8月12日 17時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるやん
| 作成日時：2014年2月28日 23時
