「ありがとう」の花束を２ ページ24
智side
その後、翔に連絡をし、今はリビング横の和室に兄弟全員そろっている。
雅紀は布団に寝かされているけれど。
気分が優れないらしくて、ずっと吐き気と戦っている。
翔「つらいなぁ…。」
心配そうに、翔はずっと雅紀の背中をさすっている。
雅「…も…や…」
翔「ん？」
雅「も…やだよ…。」
翔「何が嫌？」
耳を雅紀の口許に近づけないと聞こえないほどの、小さな声。
優しく聞き返した翔は、雅紀の返事を聞いて、さすっているその手を止めた。
『もう、こんな弱い身体いらない。』
雅紀の目から、一筋の涙が流れた。
吐き気も収まり、雅紀がようやく眠りにつけたのは、もう日付も変わって１時間程経った頃だった。
当然、僕らはまだ起きている。
というか、寝られるような気持ちでもない。
重苦しい空気が、僕らを押しつぶそうとしている気がする。
雅紀の枕元に座る翔が、雅紀の手をそっと握る。
翔「なぁ、雅紀。そうだよな…嫌になっちゃうよな…。」
病気にかかりやすく、他の友達と同じようなことが、思うようにできないのが嫌みたい。
自分の意思とは反対に、身体が思うように動いてくれないのは、想像しただけでも歯がゆい。
雅紀は、そんな気持ちをもう１５年以上耐えて来たんだ。
そりゃ、嫌にもなるよね…。
潤「…でも、何で今急に…？」
和「積年の思いが爆発しちゃったとか？」
雅紀の足元に座る二人が、顔を見合わせる。
ま、確かに。何で急に言いだしたんだろう。
最近は元気に過ごせていたと思うし、今朝も体調は良い方に見えた。
伊達に１６年間、雅紀の親代わりはやってきていないと自負している。
…けれど。
子どもは大きくなると、親に隠すことも増えてくる。
それを悪いことだとか、全て言えとは言わないけれど、こちら側からしたら心配事が増えるということ。
それが成長の証だと、わかっていても。
きっと、雅紀は僕たちに何かを隠している。
なぜか、そんな気がした。
雅紀の側から頑なに離れようとしない翔に雅紀を任せ、和也と潤を自室へ戻した。
若いからって、さすがにもう寝ないと、雅紀だけでなく二人も倒れちゃう。
翔と僕は大丈夫。徹夜なんて慣れているから。
そして、僕は今、雅紀の部屋にいる。
床に転がっているのは、野球ボール。
何気なくそれを手に取ろうとしゃがんで、ベッド下に紙きれが落ちているのに気が付いた。
それは、机の上からたまたま落ちた、というよりは、意図的にここに置かれたように見えた。
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ゆき♪( ´∀｀) - こんばんゎ!!始めましてゆりかごって言う作品読んでみたいんですけど送り方が分からなかったので此方に送りました。キラキラ星って言う作品良いですね♪すみませんお手数お掛けしますがパスワード教えて頂けませんでしょうか? (2015年1月21日 21時) (
レス) id: f29c16c0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - 今晩は、はじめまして。みさと申します。はるやんさんの作品はどれも面白くついつい時間を忘れて読みふけっています そこではるやんにお願いがあります 陽だまりの家とゆりかごのパスワードを教えて頂けないでしょうか 宜しくお願いしますm(._.)m (2015年1月10日 21時) (レス) id: 2e99fe0a4f (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - なおこさん» こんばんは、初めまして。お返事遅くなってしまい、ごめんなさい。姪っ子さん、赤ちゃんなんですね。羨ましい〜！ちびちびと更新していきますので、良かったらまたいらしてくださいね。 (2014年9月1日 23時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
なおこ(プロフ) - こんばんは。初めまして。以前から何度か読ませてもらってましたが、『2年前』を拝見して感想を書かせてもらいました。姪が今まさに雅紀くん状態です。すごくはまってます。これからも楽しいお話待ってます。お邪魔しました。 (2014年8月20日 23時) (レス) id: 7ef08442a3 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - 黒薔薇さん» こんにちは。お返事遅くなってごめんなさい。小さな手は多分体験された方も多いのでは…？と思いながら書きました＾＾パスの件ですが、ここではお教えできません。詳しくはゆりかごの説明文を読んでみてくださいね。お手数おかけしてすいません。 (2014年8月12日 17時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるやん
| 作成日時：2014年2月28日 23時
