記憶の中の響き【２】 ページ11
「寝た？」
雅紀のベッドに寄り添い、その寝顔を見つめていた俺。
気づくと智くんが部屋に入って来て。
それから、よいしょっと俺の隣に腰を下ろした。
・
「ごめん。泣かせちまった。」
雅紀の濡れた睫毛から視線を逸らさず、智くんに声をかけた。
「そっかー。・・でも。」
「・・・？」
「こうやってさ。眠れるようになっただけでも良かったよ。」
「・・え？」
思わず隣の智くんの顔を覗きこむ。
慌てた俺に少し困ったような表情になった智くん。
「いやさ・・。翔くんがまだ戻ってない時はね・・・。」
・
智くんの話によると。
意識が戻ってホッとしたのも束の間。
記憶喪失であると判明した雅紀。
自分が記憶をなくしたことに驚き悲しむ周囲の人の反応を敏感に感知したことで心を病み、パニックに近い状態で数日を送っていたようだ。
「過呼吸になって、その後気を失う。眠れているのは、気を失っている間と、強い安定剤を注射してもらった数時間だけでね。それってさ、寝てるって状態とは違うでしょう？すごい怖かった・・。あの時の相葉ちゃん・・。壊れちゃいそうで。」
家族、もしくはメンバーの誰かが常に付き添い目が離せない状態だった。
自分を責め続け怯える人が突発的に行動を起こしてしまう、最悪な結末を恐れて。
「最初はね。おいら達、相葉ちゃんにさ、自分達のこと、『大野智』っとか、『松本潤』っとかさ。フルネームで自己紹介してたの。おばさんも自分のことを『あなたの母親』って名乗ったし。
でもね。
ホント、たまたまなんだけど。
松潤がさ、おいらのこと、『リーダー！』って呼んだの。・・その時にね、相葉ちゃんが、『リーダー？』って、聞き返してきて・・。
にのが何かに気づいて、もともと相葉ちゃんが呼んでた、おいら達が呼んでた名前で呼び合おうって言って。
混乱しないように『相葉さん』で統一してた呼び方もね、自分達らしく戻して。お互いの事も、今までと同じように呼び合ったの。
・・そしたらね。」
「うん。」
「相葉ちゃん、『みんなのこと、知ってる。』って言ったの。」
「・・・そっか。」
「呼び合ってる名前の響きとか、空気とか。『懐かしい』って。」
「・・ん。」
「翔くんのこと、『しょーちゃん』って呼んでくれた？」
「・・ん。」
俺の肩に乗せられた智くんの手。
ツーンっとする鼻をすすり、込み上げるものを必死にこらえた。
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あすぅぅ☆ - 何回泣いたか分からないくらい泣きました。こんなに感動したの久しぶりで…ありがとうございます!!!!!!!!!!!! (2014年11月17日 15時) (
レス) id: 3027382040 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 雅桜さん» 雅桜さん☆感想ありがとうございます。感動だなんて嬉しいです。短編集もゆっくりですが続けていますので、良かったら遊びに来てくださいね。 (2014年7月27日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - あやさん» あやさん☆感想、ありがとうございます。そしてお返事が大変遅くなりました。相葉ちゃんは、やっぱりミラクルが似合いますよね。 (2014年7月27日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - Emiさん» 感想、ありがとうございました。コメントの連絡を受けておらず、お返事が大変遅くなってしまい、申し訳ありません・・！他で短編集も書いていますので、お時間がある時に覗いてやってください♪感動だなんて、嬉しいです。 (2014年7月27日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
雅桜 - はじめまして!!雅桜です♪
とても感動しました。また、他の作品も読もうと思います☆ (2014年7月26日 18時) (携帯から) (レス) id: 2d0cf8d793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリス
| 作成日時：2014年2月11日 15時
