医者にぃとちび。5 (ページ14)

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車の中でうずくまってる智を横目にチラチラ確認しながら、できるだけ病院への道を急ぐ。

智の顔色が悪いのは胃痛のせいか。
それともムカつきによる吐き気のせいか。

どっちにしろ、病状は誰が見てもよろしくない。

和「智にぃ、病院着いたから。ちょっと待ってて。」

智が自力で歩けるわけもなく、かと言って、和也１人で智を担げるわけもないので、救急搬送口に常備している車イスを持ち出した。

和「痛いだろうけど、体起こせる？」

智「んっ･･･」

なんとか車イスに移動させ、検査室に向かった。

検査室には無理言って待機してもらっていた同期の伊藤がいてくれた。

こいつが今日の当直で心底よかったと思う。

和「いっくん、ごめんね。無理なお願いしちゃって。」

伊「明日のお昼、おごってね！」

和「はぁ、わかったよ；」

前言撤回。
こいつはすぐ人におごってもらおうとする悪い癖がある。

ま、俺も人のこと言えないけど。

和「触診しかしてないけど、潰瘍起こしてるかも。すいませんけど、よろしくお願いします。」

伊「大宮さーん。今から内視鏡の検査しますからね。ベッドに移動できますか？」

智「･･････ｺｸｯ。」

伊「じゃあゆっくりでいいですからね。左を下にして寝転びましょうね。」

和也と伊藤の補助により、なんとかベッドに移動させた。