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眼を開く。水の青が視界で輝く。
次いで皆の視線が集まる。
「ふなっ！？」
「目が、覚めて！」
「痛い。
今全身が痛いよエース、デュース」
「わかった。大丈夫だ。
すぐに医務室に連れてってやるから」
両手はエーデュースに握られている。
それ、力が強えんだわ、痛い。
「ありがとう。
でもその手離してくれる？痛いんだわ」
「っ、すまない」
寝っ転がったまま、言葉を出す。
動こうと思えば動けるけど、疲労感と全身の痛みとでしばらくはだらんとしていたかった。
『悪いことなんて何もしてないのに』
その一言で一気に虚無感が私を襲った。
いいやそんなことない。
勝手に侵害して、勝手に壊して、勝手に手を差し伸べて。
私は無責任なことしかしてきていない。
「今からわたし、酷いこと言いますね。
私ね、やっぱりここが現実だとは思えないんですよ。
限りなく現実に近い夢だと思ってるんです。
ここで何をやらかしても、将来の私には何の支障も出ない。
ここで何が起きても、わたしの生きる世界にはならない。
だから壊せる。
私この世界の常識とか知らないし。
家族もいない、友達もいない。
魔法も使えない。鏡には帰る場所もないと言われる。
この世界で私という存在を確立させるものは何もない。
いてもいなくても何も変わらない」
長い独白だ。何語ってんだろ。
「だからこうやって何かの役割を果たす度、お腹が空いたり、痛みを感じたり、ご飯を美味しいと感じる度に、
自分がここで生きていることを確認するんです。
夢だけど、夢じゃないってやつ。
実はね、私心のどこかでみんなのことも夢の中の人なんじゃないかなって思ってるんですよ。酷いでしょ？」
自然と乾いた笑みが溢れた。
何堂々と弱音吐いてんだろ。
自分に酔ってんのかな。馬鹿じゃん。
でも、ここずっと自分の心の中で溜まっていた誰にもいえなかった感情を吐き出すことはとても気持ちよかった。
肩の荷が降りる気持ち。
涙は出なかった。
どうせなら泣きたかったな。
「みなさん！大丈夫ですか！？
私が来ましたからもう安心です！
あれっ？？」
変なタイミングで現れたのは学園長。
おっそいんだよなあ、駆けつけるの。
もう全部終わっちゃった。
動ける寮生が被害撤収作業をし、
地面に寝る人間2人を見守るように立つ当事者たち。
私のせいで空気は冷えている。
「私、タイミング間違えました？」
まあでもこれが助け舟かな。
体を起こして学園長に笑いかける。
「本当ですよ。あ、私怪我人なので医務室まで運んでもらっていいですか？
全身痛いです」
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ハク(プロフ) - 或さん» 或さんはじめまして！ありがとうございます！唐突な告白に私も愛が溢れました、、、！随時更新していきますので、これからもご贔屓ください！ (2020年10月12日 12時) (
レス) id: 0da3a6c4bf (このIDを非表示/違反報告)
或 - この作品マジで大好きです。(唐突な告白失礼致します<(_ _*)>) (2020年10月4日 12時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - カカオさん» カカオさん初めまして！コメントありがとうございました！ 今少し現実世界で忙しいのですが、空き時間を見つけては私の妄想を文字起こししていくので気長に待っていただければ幸いです！ カカオさんも幸せな夢女子ライフをお過ごしください！ (2020年8月27日 14時) (レス) id: 0da3a6c4bf (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - 続編おめでとうございます 更新頑張ってください (2020年8月24日 23時) (レス) id: 91c2dfd957 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ちゃんちゃんこさん» ちゃんちゃんこさんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！お陰様で更新が捗っております〜！！宜しければこれからもご贔屓下さい！ (2020年6月5日 19時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハク | 作成日時：2020年6月3日 18時
