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「あら、アタシも混ぜてもらっていいかしら」
もう一人横から現れたのは美しい、という言葉がよく似合うブロンドに近い髪を持つ青年だった。
「この子、驚くくらい素敵じゃない。
今年の1年はどいつも芋臭すぎてアタシは野菜畑に来たのかと思ったのだけど
この子は別格。見殺しにするなんて勿体ない。アタシが輝かせて見せるわ」
この人はえらく私の事を過大評価してくれるようでちょっと照れてしまった。
「何を言うんですか。
この方は僕が先にどうにかすると言ったんです。先輩もここは少しだけ手を引いていただきたい」
眼鏡くん(仮)がやたら私に執着する。
横から美しい人(仮)が着たとたんに彼から私を遠ざけて自分の近くになるようにした。
なんだかもう半分めんどくさくなっていた。早く私の身の保証をしてほしい。
「ねえ眼鏡くん、はやくして?
私に何か魔法を当ててよ。証明して?」
しびれを切らして眼鏡くんにお願いすれば、彼はひどく驚いた顔をした。
そしてボソッと、隣にいる私にしか聞こえないくらいの声量で呟いた。
「本当に、僕の事を覚えていないんですか?」
「、、、、どこかで会ったことありました?」
本心だ。私の記憶では眼鏡くんにあった記憶はない。
「結局貴女も、、、、。
いいでしょう。そんなに望むなら早く終わらせてあげます」
すると彼は吹っ切れたように顔を歪めて笑い、私に何かしらの魔法を放った。
身を裂くような瞬風。
しかしそれはわたしに一つも傷をつくらなかった。
周囲はまたざわめく。
これで私に魔法が効かないということが証明されたわけだ。
そうして学園長は苦肉の策で私が故郷へ帰る手立てが見つかるまで、私をこの学園の敷地内で面倒を見ると決めた。
生活する寮に関しては、
さっきの眼鏡くん、美しい人、そして体は小さいしお顔立ちも可愛いのに喋り方がおじいちゃんみたいな少年が名乗り出て話し合う程だったが、
学園長の計らいで長いこと使われていない古びた寮を貸していただくことになった。
それにしても眼鏡くんのあの発言は何だったのだろうか。
僕の事を覚えていないのか。
そう言われても会ったことあったっけ?
それにあの美しい人は私をべた褒めしてくれたからにしろ、あの少年おじちゃん。
私の事を興味深いとでも思ってくれたのだろうか。
今日は本当に疲れた。
何で私はここに来たのだろうか。
目まぐるしい。
夢なら醒めて欲しいし、どうせなら私に魔法使わせてよ。
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きのこ - 初見ですがコメ失礼します!いきなりですが、何この神作!?って思いました(笑)いやー最推しのジェイドくんにオクタヴィネルの二人が凄い出てきてくれて、ファンの私にはとても有難いです!!これからも応援してます!頑張って下さい!! (2020年10月13日 3時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ちりさん» ちりさんはじめまして!コメントありがとうございます!私の妄想文字起こしが目に留まったようで嬉しいです!どうしようもなく闇の夢女子なので暗くなりがちですが、有りだなと思って頂けたら幸いです〜! (2020年9月14日 7時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - アットさん» アットさんはじめまして。コメントありがとうございました!キタニタツヤさんの世界観が大好きでして、、、とても影響を受けております!そういう思想感が根底にある、私の妄想文字起こしです。笑 (2020年9月14日 7時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
ちり(プロフ) - 初めまして!!これから読ませて頂きます!!魔法の無効化。つい学園アリスとゆう漫画を思い出しました!笑。めちゃめちゃ話の内容が好きです!すでにこの小説大好きになってます笑。今後も更新頑張ってください!(^ ^) (2020年9月14日 1時) (レス) id: 61ff0dc64e (このIDを非表示/違反報告)
アット - 思考を休めるな、脳みそを回せ…悪魔の躍り方!? (2020年6月11日 19時) (レス) id: bce4268e03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2020年4月19日 3時