〈ツイステ〉魔法が効かない監督生

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「オラああああああああッ！！！」


「大人しくなってオバケさん！！！」



エースは今眼前に広がっている光景が些か信じられない。

あのバカジュースはまだしも、魔法も使えない女の子がそこら辺に落ちていた錆びた棒で戦っているのだ。


いくら魔法が効かない謎体質とはいえ、今回の相手は物理的に潰そうとして来る。
あの女の子にとっては圧倒的に不利だ。



「オイきらり！何やってんだオマエ！！危ないんだゾ！
第一、ここはお前がそんなに体張るとこじゃねえんだゾ！？」


心配と恐怖が混じりながらも毛玉は何とか魔法を出し応援する。



「一人じゃあどう考えても危ないよ。
だけどさ、デュースたち私と違って魔法使えるのに退学って勿体ないでしょ。
一応名門校なんでしょ！私の乱入なんて間違い、何事もなかったように過ごしてほしいもん」



応戦しながらも答えた彼女の言葉は真っ直ぐだった。



なんだよ、自分から間違いだなんていうなよ。



自分より小さい、簡単に折れちゃいそうな女の子が戦ってるのに
俺だけ逃げたらかっこ悪いじゃん。



「ンあああああもう！！！
しょうがないなあ！！」



「うん、ありがとうエース」


ふわりと笑った彼女の顔は、目を奪われてしまうくらい整っていた。




「ばーかここは戦場だよ。相手から眼を逸らさないで」


「んなっ！
言われなくても眼なんか離してねえっつーの！」




なんかマジでこいつ見てると調子狂うわ。




「見てみんな！！
オバケの後ろ！！奥で光ってる！」


「あの光は、魔法石！？」



その姿を俺たちが認識した瞬間、怪物はさらに怒り出す。
これはマズイ。



「撤退撤退！！
お前らいったん逃げるぞ！このままじゃみんな犬死だ！！」





炭鉱の外まで何とか戻ってきた。


もう正直ここまで必死こいてまで魔法石とる意味が分かんない。
オレ最初からそこまで本気でも乗り気でもないし。



「もうあきらめて帰ろーよ。
あんなんと戦うくらいなら退学でいいじゃんもう」



「なっ、ざっけんな！
退学になるくらいだったら死んだ方がマシだ！！
魔法石が目の前にあるのにあきらめて帰れるかよ！」



「はっ、俺より魔法ヘタクソなくせに何言ってんだか。
行くなら一人で行けよ。俺はやーめた。行こうぜきらり」



「ああそうかよ！！
なら腰抜け野郎はそこでガタガタ震えてろ！！」



「はあ〜〜〜〜〜？？
腰抜け？誰に向かって言ってんの？
え？きらりわかる？もしかして俺？」



「ナチュラルに巻き込むのやめてほしいんだけど」

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