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「同じ性質を持つ魔法石が手に入れば修理も可能かもしれません。」
学園長のその言葉に、さっきまで絶望の淵に立ったみたいな顔してたデュースがいの一番に声を上げる。
「僕、魔法石を取りに行きます!」
「ですが、、、鉱山に魔法石が残っている確証はありません。閉山してしばらく経ちますし、魔法石がとりつくされてしまっている可能性も高い」
「退学を撤回してもらえるなら、何でもします!!」
異様なほどデュースは必死だった。
いや、これが退学を告げられた生徒の本来の姿勢かもしれないが私の眼にはそうは映らなかった。
その必死さに自分が優しいことを売り文句としている学園長も耐えかねたのか、一晩だけ猶予をくれた。
つまり、私たちは今晩のうちにどうにかしなければこの学園とはおさらばなのだ。
真剣に捉えるデュースと、軽くとらえているであろうエース。
いざ鏡の間へ来ても、二人の捉え方の違いからいつ二人で意見が割れ始めてもおかしくない状態だった。
「フナ、、、、オレ様は一体何を、、、?」
いやなタイミングで意識を取り戻しちゃったグリちゃん。
「あーあ。
ずっと寝てた方が幸せだったかもしれないね」
いざドワーフ鉱山へ来て見れば、かなり廃れていたというのが第一印象だ。
人一人いない、田舎の奥地。
「あ、奥の方に家がある。
話聞きに行ってみよーぜ」
「でも人いるのかな」
「ううう、何かでそうなんだゾ、、、」
「ああ、さてはグリム怖いんでしょ?
ウチの寮にいる優しいオバケさんたちにもビビってたもんね。
かわいいなあもう」
「フナッ!?
バ、馬鹿にするんじゃねーんだゾ!
別に怖くなんて、、、」
「ハイハイごめんねわかってるよ」
「こんばんわ、、、って、空き家か。」
人がいなくなってから時が経っているであろう、ゴミの舞い方と蜘蛛の巣。
寧ろ今は虫さんのお家ってとこか。
「なんか机とか椅子とか全部小さくねえ?
いち、に、、、、、、な、7人!多っ!」
「ドワーフ鉱山が栄えていた時は、さぞにぎやかな家だったんだろうな」
「、、、そう、だね」
そう応えつつ、私はどこかデジャブを感じていた。
鉱石発掘、7人の小さき人、、、、
これってもしかして、
「白雪姫?」
「ん?何してるんだきらり。ここには魔法石はなさそうだから炭鉱の中にいくぞ?」
「なんか考えこんじゃって、、、ダイジョブ?
もしかしてきらりも怖いの?」
エースってばほんとそういう言い方ばっかり。
「違うわあ、、、、もう。いいよ気にしないでごめんね、行こう」
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きのこ - 初見ですがコメ失礼します!いきなりですが、何この神作!?って思いました(笑)いやー最推しのジェイドくんにオクタヴィネルの二人が凄い出てきてくれて、ファンの私にはとても有難いです!!これからも応援してます!頑張って下さい!! (2020年10月13日 3時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ちりさん» ちりさんはじめまして!コメントありがとうございます!私の妄想文字起こしが目に留まったようで嬉しいです!どうしようもなく闇の夢女子なので暗くなりがちですが、有りだなと思って頂けたら幸いです〜! (2020年9月14日 7時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - アットさん» アットさんはじめまして。コメントありがとうございました!キタニタツヤさんの世界観が大好きでして、、、とても影響を受けております!そういう思想感が根底にある、私の妄想文字起こしです。笑 (2020年9月14日 7時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
ちり(プロフ) - 初めまして!!これから読ませて頂きます!!魔法の無効化。つい学園アリスとゆう漫画を思い出しました!笑。めちゃめちゃ話の内容が好きです!すでにこの小説大好きになってます笑。今後も更新頑張ってください!(^ ^) (2020年9月14日 1時) (レス) id: 61ff0dc64e (このIDを非表示/違反報告)
アット - 思考を休めるな、脳みそを回せ…悪魔の躍り方!? (2020年6月11日 19時) (レス) id: bce4268e03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2020年4月19日 3時