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今期のランク戦終了間近。
B級ランク戦夜の部 開始3分
『トリオン供給器官破損
(何の役にも立てなかった……)
奥手だったAは、ボーダー内で知り合いを中々作れず、長い間B級フリーだった。
そんなAに声をかけたのが二宮だった。
Aは、
未だに役に立ったことはなかった。
Aがそんなことを思い立っていた時にはランク戦は終了。
結果は、二宮隊の圧勝だった。
役に立っていない人材が1人いたとしても、二宮隊は1位をキープし続けている。それならそんな役立たずはいない方が良いと誰もが思う。
それなのに何も言わないでいるのは、気遣っての優しさだろうとAは感じていた。
これ以上、大好きなチームに迷惑をかけたくなくてAは覚悟を決めた。
「今日もお役に立てなくて、ごめんなさい…」
犬飼、氷見、辻は、一瞬驚いた表情を見せたがすぐに微笑む。
「そんなの気にしなーい」
「犬飼先輩の言う通り。Aちゃんが気にすることないの」
「俺もサポート行けなくてごめんね」
そんな3人の優しさに目が潤むA。
「本当にありがとうございます。でも…」
再び気を引き締め二宮の元へ歩いて行く。そんなAを二宮は表情を一切変えずに見つめた。
「二宮さんは才能のある人が好きだと聞きました。私のせいで負けちゃったり、このままミスばかりしていたら、嫌われちゃうと思うので私を辞めさせてください。」
そう言って頭を下げた。
自分から辞めなかったのは、辞められるほどの人材ではないから。
「………そうだな。
だが、Aは才能があるだろ。だから俺の隊に誘った」
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作者名：もち丸 | 作成日時：2021年11月1日 1時
