ワールドトリガー【短・中編集】 (ページ15)

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人型の黒(ブラック)トリガーに敗北した後、隊室には三輪が1人で、深刻な表情で座っていた。

三雲が庇っている近界民(ネイバー)。
やっぱり迅のやつが絡んでいた。

何がいい近界民(ネイバー)だ。

近界民(ネイバー)に良いも悪いもあるものか。

近界民(ネイバー)は全て敵だ。

「クソッ…」

三輪は唇を強く噛んでいることも忘れ、ただただ怒りに満ち溢れていた。

_______じ！

__しゅーじ！

「ねえ、秀次ってば！」

「いたのか。なんの用だ」

今の三輪は彼女が来たことにも気づかず、況してや優しくする余裕なんてなく、ぶっきらぼうに言葉を放った。

それを受けたAは、少し頬を膨らませ眉間に皺を寄せる。

「元気ないから心配してるのに…。何があったの？」

「何もない」

「なにもない訳ないじゃん。ある前提で聞いてるの」

三輪は、真っ直ぐ見つめてくるAから目を逸らすと「はぁ…」ため息を吐(つ)いてから答えた。

「黒(ブラック)トリガーの人型近界民(ネイバー)を排除しようとしたが、迅に邪魔をされた。

クソッ、迅のやつめ…近界民(ネイバー)を生かしてどうするつもりだ」

三輪は強く拳を握り、机にドンっと叩きつける。

その言葉を聞いたAは、三輪とは逆にほっとして肩の力を抜いた。

「そっか！迅さんいるんだね、安心したよ」

「おい、なんだその言い方。」

「だって、迅さんが大丈夫って言うなら大丈夫でしょ？」

三輪はバンっと机を両手で叩き立ち上がると、「話を聞いてきたくせに答えると"迅"ならと！！」そう怒鳴った。

「秀次の気持ちも…「そんなに迅の方が良いなら、迅の元へ行ったらどうだ」