ワールドトリガー【短・中編集】 (ページ12)

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Aは、いつものランチセットを持っていつもの席に座る。

「あれ、生駒っち、他のみんな非番？」

「いないってことはそやろな。俺ら2人やん」

「そっか！珍しいね」

「せやな」

そんな話からAと生駒は他愛もない話をしながらご飯を食べていた。

「あの女の子、ぴょんぴょんしててかわええな」

生駒の真剣な視線の先をAも追う。

「生駒っちは女の子みんな可愛うからなぁ〜…って、ほんとだ可愛い」

「だって女の子はみんな可愛いやん！」

眉間に少し皺を寄せて、目力強めで言う生駒。そんな生駒の表情を見てAは小さくため息を吐(つ)く。

「まあ、可愛いって言われて嬉しくない女の子はいないけどさ〜。

その中でも特別な子を見つけなよ！」

Aはそう言って生駒に笑顔を向けると「生駒っちの好きな人かぁ〜どんな人だろうな〜」なんて頬杖をつきながら言葉をこぼす。

すると生駒は不思議そうな顔をして

「ん？Aが特別なんやけど」

さらっと言った。

「…え」と驚くAだったが、あまりにも重みの無い言い方だったので、解釈を変える。

「あ、私たちは特別仲良いからね！でも私が今言ってるのは、"ずっと側にいたい"とか"幸せにしたい"とかそう思える人だよ！」と笑いかけて言う。

それなのに生駒は表情は変わらない。

「うん、そやろ？だからそれがAやん」