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"逃げなきゃ"
咄嗟に頭に浮かんだ言葉は、ただそれだけだった
もう一度、今度は慎重に周囲を見渡す
おそらく出口であろう扉の前には、屈強な男が二人だけ立っている
私の力なら…やれる？
海楼石の手錠で能力は封じられているけど、足技だけならどうにかなりそうだ
しゃがんだ状態でグッとつま先に力をこめる
『待って…』
可愛らしい女の子の声に、咄嗟に振り返る
＿＿＿＿人魚？
ケイミー「あなた、脱出する気なの？」
A「うん。」
ケイミー「やめといた方がいいよ！扉の向こうにもっと沢山人がいるから……」
A「そうなの！？」
でも、じゃあ、どうしたら……？
なんて思いつつ、初めて見る本物の人魚に
私は場違いにも見惚れてしまっていた
ケイミー「きっと、私の友達が悪い奴らをやっつけてくれるから…！信じて待とう！」
そう言って笑っているこの子の手も、小さく震えている
本当は私よりもずっと怖いんだろう
話に聞いたことはあるけれど、人魚は普通の人間よりも
もっとずっと価値があるらしい
買われたら一生観賞用になるだとか、海獣と遊泳速度を競わせられるだとか。
A「…分かった。私も貴方の友達を信じる」
きっとその望みは、薄いのだろうけど。
今はただこの子の手を握っていよう
「おい、15番と16番を檻から出せ」
「うわああ！！やめてくれ……！！！監獄の方がまだマシだ！ドレイになんてなりたくねぇよォ！！助けてくれェ！」
悲痛な叫びに思わず耳を塞ぐ
私の番号は20番。この人魚の女の子は…………17番。
ケイミー「はっちん……。」
途端、この子の肩はガタガタ震え出した
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林檎(プロフ) - ちもさん» 教えて頂きありがとうございます！どうやらバックアップしたら毎回ついてしまう様なので気をつけますね！ (2022年9月30日 13時) (
レス) id: a1b1016848 (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 7時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎 | 作成日時：2022年9月19日 21時
