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ポーラータング号は昼間は潜水艦として航路を進むけど、敵襲の少ない夜間は帆を張って船として少しずつ進むそうだ
イッカクさんに教えてもらった道順を思い出しながら何とか看板に辿り着くと、そこには既に先客が居た
A「ローさん……！」
名前を呼ぶと、彼は振り返ってこちらを見た
ロー「何だ？」
A「いえ…何も！横、失礼してもいいですか？」
そう尋ねると彼は何も答えなかったので、勝手にいいのだと解釈することにした
A「よいしょ、っと……っ！」
月を眺める彼の横に座る
ロー「＿＿＿＿眠れないのか？」
A「……えへへへ」
ロー「目が、腫れている」
A「…ヒミツです！」
心地よい静寂の中、波の音だけが耳に響く
肩が触れるか触れないか、ほんの2ミリの距離
彼の横は、始めから私の居場所だったかのように思えてしまうほど心が休まる
月明かりに照らされた彼の横顔が見たくて、ちらりと横を見ると、目と目が合ってしまった
A「夜は、どうしても思い出しちゃうんです。攫われていた時のことを。
冷たい檻の中は窓も無くて、今が朝なのか夜なのかも分からずに、一生明けない夜を過ごしているみたいな感覚で……。
敵方が私の能力を知らなかったから何とか逃げ出せたんですけど……って、ごめんなさい、こんな暗い話」
また泣きそうになってしまうのを、誤魔化すように笑いかけた
ロー「……来い」
低い、艶のある声でそう言ったと思ったら、次の瞬間にはもう私は彼の逞しい腕の中にいた
A「え！？え！？////」
ロー「…人の心音を聞くと本能的に安心感を抱くようになっている。心を落ち着かせるのには最も最適な方法だ」
A「あ、え……？そうなんだ……？」
どうしよう
落ち着くどころか、鼓動が高鳴って鳴り止まないんだけど！
胸板、厚いな……
どことなく良い香りもする
おそるおそる彼の腰に手を回すと、彼は何も言わずにぎゅっと腕に力を込めた
温かい、温かいな
ローさんの鼓動を聞きながら、私は不安なんて全部忘れて眠りに落ちた
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林檎(プロフ) - ちもさん» 教えて頂きありがとうございます！どうやらバックアップしたら毎回ついてしまう様なので気をつけますね！ (2022年9月30日 13時) (
レス) id: a1b1016848 (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 7時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎 | 作成日時：2022年9月19日 21時
