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第四話 ページ5

中島敦side



──1杯の茶漬け──




梅干しに刻み海苔、それに夕餉の残りの鶏肉

そいつを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒に掻き込む。


美味かったなぁ...
孤児院の台所で、人目を忍んで食った茶漬けは...



川の傍の芝生の生い茂る高水敷


僕は体に力が入らず、膝から崩れ落ちてしまう。



駄目だ...腹減って死ぬ....。


僕の名前は敦────

──────訳あって、餓死寸前です。



孤児院を出てから、食べるところも寝るところもなく、かといって盗みをはたらく度胸もなく、こんなところまで来てしまった。

フラっとしながらも僕は立ち上がる。


最早盗むか奪うしかない……けど……



孤児院での記憶が頭の中を駆け回る


──────五月蝿い、僕はタヒなないぞ



生きる為だ

次に通った者をおそい、財布を取る!!

僕は神経を張り巡らせ、気配を感じとる




──────気配.!!




僕は目を鋭くさせ、後ろを振り返る。




ブーーーン───




堤防の上を通ったのは、自動二輪車だった。

流石にこれは無理だ..空腹じゃあ追いつけない...




─────次!!!


一っ二っ三っ四っ!一っ二っ三っ四っ!────




同じ道を軍警の列が走っていく。

トレーニングに夢中の軍警が財布を持っているとは思えない...



────次だ次!!



そう僕が気合いを入れ直した時、




『ねェ、君。』


と、急に後ろから声を掛けられた。


余りにも急だった為、


敦「うわぁっ!」


と驚きの声をあげてしまって尻もちをついた。

が、今の自分の状態を思い出し、


敦「おおおお、お前!!財布をだだ、出せえ!!」


『はァ...』



と溜息を吐かれてしまった。






.

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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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