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第十五話 ページ22

Aside


『其れで太宰さん、貴方ならどうにか出来ますよね?』


向かって来る虎に視線を戻し、太宰さんに問うが、少し面倒臭そうな雰囲気を出す太宰さんを見て、


『太宰さんがどうにかしてくれたら、何か一つ情報をあげますよ。答えられるものだけですけれど。』


と僕が提案すると


太「う〜ん、其れならやろう。」


と乗り気では無さそうだが協力してくれそうだ。


『なら、捕獲は任せます。ですが、任せっきりなのも嫌なので、取り敢えず手伝いますよ。』

太「嗚呼、分かったよ。少しの間引き付けておいてくれ給え。」

『分かりました。良い感じの場所で待機していて下さい。そこ迄連れて行きますよ。』


そう言った後、直ぐに僕は動き出した。



話していた間にも虎は直ぐ目の前まで来ていた様で、
飛び掛ってくる。

其れを軽やかな足取りで躱すと、僕は虎の目の前に躍り出た。





『さァ、君の鬼ごっこに少し付き合ってあげようじゃァ無いか。』





そう言って僕はマスクの下で薄く微笑んだ

これから楽しい時間の始まりだ。



虎は挑発に乗ったのか、直ぐに僕目掛けて鋭い爪の太い前足を突き出して来た。


其れを右に飛びつつ受け流し、又飛び掛ってくる虎を避ける。
そして攻撃が止んだ隙に、僕は真逆へと方向転換し、走り出す。


矢張り異能力であると言っても虎は虎なのか、僕をしっかり追いかけて来る。

きっと虎の目には今、僕が逃げている獲物に見えている事だろう。


其れから太宰さんが居る方に方向を少し直して、走る。


そして、


『太宰さん!』


と合図を出すと、太宰さんが丁度僕と虎の間に入り、


太「次は私とも遊んでおくれ?」


と言って微笑み、虎の標的(ターゲット)となった。


その後僕は極力気配を消し、少し遠い所へと移動する。

何時でも対応出来るように、その間も太宰さんと虎の様子を見ておく。



まァ、見てなくとも対応は出来るのだけれども。

僕がそうして見学している中、太宰さんは軽々と攻撃を交わしていく。


...が、壁際の方へと追い詰められてしまった。

否、あの顔はきっと態と追い詰められたのだろう。



そして虎が太宰さんの目前に迫った時、


太「獣に喰い殺される最期というのも、中々悪くないが...君では私を殺せない。」


そう言って太宰さんは、飛び掛ってきた虎の眉間を指先で突いた。









.

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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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