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「無理だろ」
「ですよね!」
夏休みに突入していた現在、秀ちゃんが帰国して、今回の事を話すと案の定だ。
「私に恵美役は無理よね」
「いや、どう考えてもお前には無理だろ?どいしようもない悪女なんて。どう考えてもやらせか、相手側の悪意を感じるぞ」
今回の脚本家さんの意向で私がライバル役を是非演じて欲しいとの事だった。
オクレール先生も元よりそのつもりだったんだけど、原作よりも恵美役の悪女っぷりがすごくなっている。
物語は17歳の女子高生、若宮あかりが主人公。
相手役は三浦優。
二人は相思相愛の恋人同士で付き合い始めてま無しに幼馴染の佐伯恵美が転入して来る。
恵美の登場により二人の恋に亀裂が入るも優はあかりへの愛を貫こうとするも、交通事故により恵美は怪我をし、優は責任を感じる中、弱みに付け込み二人を解れる原因を作る事に。
最終的には優は苦しみながら恵美と別れるのだが。
「どう考えてもずるがしこい女だろ。まぁ人間味があるが」
「うん…」
読者からはかなり嫌われている。
あかりがいる前で仲良くして自分の方がふさわしいと見せつける序盤。
怪我を良い事に優を手に入れた中盤。
最後まで読者に嫌われてバッドエンドだけど最後は優の幸福を選ぶのだけど。
「私は好きだな」
「は?」
確かに、やり方は酷いかもしれない。
だけど人間味があって無力的だと思うし、何より惹かれたのは――
「こんな風に誰かを愛せるのはすごいよ。自分が悪女になっても愛せるのは…」
「睦…」
私は大切な人の傍にいる為に何もかも捨てることはできない。
きっと勇気のいる事だわ。
「私、彼女の事をもっと知りたいな」
「はぁー…しょうがいないな」
秀ちゃんは私の我儘に付き合ってくれた。
その日から役作りの為に私は恵美の研究を始めた。
そして悪女としての彼女の内側を経験するようになったのだった。
その結果、オーディション当日。
「アンタ!ふざけてんの!」
「ひぃぃ!」
私なりの恵美を演じたら共演者であかり役の早乙女京香ちゃんを怒らせてしまった。
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あまね(プロフ) - おわり、おわり? (9月2日 18時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
いちごたると - この小説を見てから赤井さんがより、好きになりました!次の更新を楽しみにお待ちしています! (7月28日 20時) (レス) @page18 id: b5c5dc5e77 (このIDを非表示/違反報告)
葱 - 超面白い (7月22日 12時) (レス) @page18 id: 402cfc006e (このIDを非表示/違反報告)
未汽 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月16日 21時) (レス) @page18 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
海月舞(プロフ) - 誤字報告です。了承が寮死傷になっています (5月27日 10時) (レス) @page3 id: 1f3850c98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年6月10日 13時