スターの道 ページ3
怒涛のような出来事を終えた私は日本に帰国してだれていた。
「何か、気抜けしちゃった」
「なんて、だらしない事を言ってんのよ」
「だって…」
お祭りを終えた気分だった。
本当に夢のような日々だったけど、一度に堅実に戻った気分だ。
「まぁ、すごい体験をしちゃったよね。夢を見ているみたいだったわ」
「じゃあ、これを見たら夢じゃないと思うのかしら?」
「ん?」
ベッドでゴロゴロこしている私に薫ちゃんが見せたのは雑誌だった。
月間Muse。
日本でも一番人気の芸能雑誌で、舞台を中心とした雑誌だった。
「薫ちゃん、これ何?」
「何って、アンタの次の仕事じゃない?」
「いやいや!何言ってんの?知らないよ!」
何で普通に私が出演することになってんの?
「学園側が勝手に寮死傷したんじゃない?良かったわね?大劇場で歌手デビューできるわね。アンタの夢だったじゃない」
「いや、そうじゃなくて」
「とりあえず、公開オーディションは全国中継されるから。舞台公演で主役を演じて観客に酔う評してもらうらしいけど…頑張りなさい」
「あの…辞退は?」
「ハッ、無理に決まっているでしょ?」
私に一切の選択権はないのか!
「主役は聖女と悪女ね?」
「えーっと片方は…絵にかいたような悪女じゃん」
物語は王道的な物語。
原作は純文学で青春ラブストーリーなのだけど、内容がものすごくえぐい。
「何で私が悪女?できる気がしない」
「何でもオクレール先生がアンタの演技を気に入って意外性を見たいんですって。でも、悪女なんて案じたらあんたのイメージは黒く塗りつぶされるわね」
「巻き寿司食べながら言わないでくれる?」
たださえ、前回の演技はシャロンが引き出してくれたのに。
今度は一人で演じなくてはいけないのに。
しかも競う相手が現役女優で私と同い年。
モデルから役者に転向した早乙女京香さん。
実力は女優として脚光を浴びており、第二の藤峰有希子とも謡われているとか。
「無理無理!勝ち目ないじゃない!」
「あんたねぇ?たかがモデルに負けてんじゃないわよ?シャロンに期待されてんのよ」
「だからって…」
勝てる自信がない!
1208人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - おわり、おわり? (9月2日 18時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
いちごたると - この小説を見てから赤井さんがより、好きになりました!次の更新を楽しみにお待ちしています! (7月28日 20時) (レス) @page18 id: b5c5dc5e77 (このIDを非表示/違反報告)
葱 - 超面白い (7月22日 12時) (レス) @page18 id: 402cfc006e (このIDを非表示/違反報告)
未汽 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月16日 21時) (レス) @page18 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
海月舞(プロフ) - 誤字報告です。了承が寮死傷になっています (5月27日 10時) (レス) @page3 id: 1f3850c98d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ししゃも | 作成日時:2022年6月10日 13時