【名探偵コナン】平凡過ぎる萩原家のお姉様の受難2 (ページ17)

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黒いクッキー萩原研二ページ17

萩原家のクッキー。
香りが優しく見てはお洒落で食べると幸せになる。

俺も大好物だったけど。

「召し上がれ」

「ねーちゃん」

「どうした食べろ。陣平、お前も好きだろ？」

「俺、死にたくねぇーよ」

現在俺はこれ以上無い程のピンチを迎えていた。

「おい萩、これは何だ？危険な物体か？」

「クッキー」

「いや、クッキーって」

目の前の大皿に並ぶのはやたらと分厚く黒焦げになったクッキーだ。
少し焦げたとかそんな愛らしものじゃない。

真っ黒だ。

「食べろ。残すなよ」

「ひぃぃ！」

「おい千速！こんなもん…」

「黙って食え！」

「もごぉ！」

クッキーを鷲掴みをして陣平ちゃんの口に無理矢理押し込んだが。

バターン！

「え？陣平ちゃん？おい…」

「あまりの美味さに倒れたか？フッ…」

「違うからね！」

陣平ちゃんの目が死んでいる。

白目だから！

その日、救急車に運ばれ食中毒で入院となった。

「萩…」

「陣平ちゃん。大丈夫か」

「クッキーが怖い…夢でクッキーが俺を追いかけて来るんだ」

ブルブル震える陣平ちゃんはそれからしばらくクッキーやビスケットは食べれずアレルギー症状が出るようになった。

余談だが、余ったクッキーは中々の出来栄えだと勘違いした姉ちゃんはご近所にも配って救急車のサイレンが鳴り響いていたとか。

真夏の恐怖体験をした俺は懐かしのクッキーが恋しくなった。
黒くなくて白いクッキーが食べたいと思った日だった。