【名探偵コナン】平凡過ぎる萩原家のお姉様の受難2 (ページ12)

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必然と偶然の出会いページ12

高校二年になった頃。
私の生活は充実していたかのように見える。

有難い事に私はタイミングにも恵まれていた。
当時演歌歌手の作曲家の巨匠に私の歌を気に入って貰えてジョグレスコンサートを申し込まれた。

私のファンはどちらかというと年配の人から受けが良かった。
私自身もクラシックに歌謡曲を好んでいたのも理由の一つで、病院にチャリティーコンサートをする事も多かった。

昔の曲をもっと身近に聞いて欲しい。
日本の伝統的な音楽、演歌こそ世界に通用する曲と考えていたからだ。

そんな私の思いに共感してくれたのが演歌歌手の天上淑乃さんだった。

「アンタ、よく考えたわね？新曲を着物で歌うなんて」

「私、演歌が大好きなんだ」

「私、演歌は専門外なのよね。でも悪くなかったわ」

現在、女優としても大ブレークしてドラマに映画に忙しない京香ちゃんとの交流も続いていた。

私は仕事をしながら念願の作家デビューを果たした。

「曲作るのは良いけど、ドラマの仕事のオファーを断ったんですって？」

「ありがたいんだけど、私よりもピッタリな人がいるし」

「アンタねぇ、芸能界で生きて行けないわよ！他人を食ってこそよ」

「うん」

薫ちゃんの言う事ももっともなんだけど、私は曲を作ったり詩を書く方が好きだった。

勿論趣味の方も。

「見て見て薫ちゃん！新作よ」

「あら？悪くないわね…」

「薫ちゃんと私と京香ちゃんのお揃い…着てくれる？」

ハンドメイドの趣味も健在だった。
最近は趣味が悪化して男性用の服も作りまくっていた。

ストレス発散はお針の仕事だしね！

「私ね二人にお願いがあるんだ」

「何よ」

「三人でこれに出たいの！」

私が見せたのは――

「は？ダンスコンテスト？」

「そうそう。仲良し三人娘で出るの」

「娘？」

「久しぶりに締められたいの？私は乙女よ」

ギロリと睨む薫ちゃん。

「ゴリラ女がか？」

「ぶっ殺すわよ！赤井秀一！」

何で秀ちゃんはこの二人の事をこんな風に言うんだろう。

芸能界で二分する程の人気なのに。

「睦、この二人と同じ空気を吸い過ぎたか。娑婆に出れなくなるぞ」

「娑婆って何？」

「「赤井ぃぃぃ！」」

そしてこの二人も何故か秀ちゃんを毛嫌いしていた。
十人が振り向けば十人が振り向く程のイケメンさんなのに。