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何時も言いそうになった、だけど。

「千速、言葉に出したらダメよ」

「どうしてだ」

「一度言葉にしてしまえば取り返しがつかないわ。言葉時として刃になって突き刺さるわ」

姉さんにも言える事だ。
なのにどうしてだ。


「私は千速に誰かを傷つける言葉を言って欲しくないわ。他人の言葉なんて気にしてないし雑音に過ぎないわ」

「姉さん…」

私が小学生の頃の事だった。
学校でも姉さんを馬鹿にされ酷い事を言われて耐えられなかった。

だから私は…

「私は千速が優しい子だって知っているわ。だから…私を思っての事ならお願い」

「解ったぞ!」

姉さんは優しくて強い人だった。
認めてくれない人間の言葉に耳を貸すことしない。

そんな中、姉さんは日本一の名門校に給費制として入学することになった。

近所のおばさんは手のひらを返したように言い始めた。

「まさかAちゃんがあの名門校に入るなんて」

「ええ…」

「私は最初から解っていたけど」

なんて勝手な奴等だ!
だが、ここで怒るよりも仕返しをしてやる。


「姉さんは昔から私達に勉強を見てくれたからな!塾も通ってないのに英語だってペラペラだからな!」

「なっ…」

「小学校でも英会話コンクールで常にトップだ。頭がいいから塾にも通わないでいいんだ」

おばさんの子供は受験の為に家庭教師に塾に通わせまくっていた。

「姉さんは監督生候補になったんだ。私や研二たちよりもずっと優秀だからな」

「そっ…そう」

「千速…」

母さんも顔を引きつっていたが、後で質問攻めにあうだろう。

だけどこれぐらいは当然だ。


「萩原さん、Aちゃんにはどういう教育をしたのかしら?」

「私の娘も帝国学園に入れたいのだけど!」

私の予想通り母さんはママ友に質問攻めにされていた。


だけど答えられなかった。


「そう言えば以前お邪魔したクッキー、レシピを下さらない?」

「野菜嫌いな息子も野菜を食べるようになったの」

姉さんが考えた野菜クッキーのレシピ。
おばさん達は母さんが考えたと勘違いしているが、考えたのは姉さんだ。


「あっ…適当に作りまして」

「まぁ、すごいわ」

「本当に料理上手なのね」


姉さんの言う通り私は言葉の刃を使わず仕返しをした。

姉さんに辛く当たる罰だ。

必然と偶然の出会い→←私の大好きな姉さん〜萩原千速



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あまね(プロフ) - おわり、おわり? (9月2日 18時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
いちごたると - この小説を見てから赤井さんがより、好きになりました!次の更新を楽しみにお待ちしています! (7月28日 20時) (レス) @page18 id: b5c5dc5e77 (このIDを非表示/違反報告)
- 超面白い (7月22日 12時) (レス) @page18 id: 402cfc006e (このIDを非表示/違反報告)
未汽 - 面白いです! 頑張ってください。  (7月16日 21時) (レス) @page18 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
海月舞(プロフ) - 誤字報告です。了承が寮死傷になっています (5月27日 10時) (レス) @page3 id: 1f3850c98d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年6月10日 13時

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