【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

本当の素顔〜松田サイド ページ24

あの爆弾事件から二か月が過ぎ。
俺達は忙しい日々を送りながらも一人の少女が頭から離れなかった。

もしあの時、あの子がいなかったら萩原は死んでいた。

今でもゾッとする。

だが、その所為で彼女は火傷を負ってしまった。
消えない傷と言うわけではないが萩原はかなり気にしている。

本人はまったく気にしていないが…

つーか気にしなさすぎだろ。

俺の中でお嬢様とは我儘な印象が強い。
女と言う生き物は基本我儘だと思っていたこともあるが、Aは真逆だった。

色々ぶっ飛んでいても我儘でも傲慢でもない。

ただ変わっているが…


「お二人共、お嬢様から目をお放しにならないでくださいませ」

「え？うん…」

「仕事だからな」

特別任務として俺達にAの護衛をするように言われたのは三日前の事。

温泉旅行に行くので一緒に同行しろとのことだったが、大袈裟過ぎじゃねぇか？

生き帰りは自家用ジェットで島まで行き、完全装備をさせるなんて。

「本来ならばＳＰを１０名付き添わせるのが普通なのですが」

「「多すぎだろ！」」

いくら警察庁長官の娘だからってそこまでするのか？

「お嬢様は今危うい立場なのです…気軽に外出すするこすら難しいのです」

「どうして？別に外出ぐらい…誰かに命を狙われてるわけでも…」

萩原に俺も同意しようとしたが…

「いいえ、その通りです。お嬢様は命を狙われております」

きっぱり言い放つフィリーネに俺達は驚く。

「え…でも、早乙女長官は人に恨みを買う様な人じゃ」

萩原の良い方は警官として不味いが俺も同意見だった。
この仕事をしていればだれかに恨みを買うのが当たり前だが、簡単に狙うのか？


「旦那様ではなくお嬢様を邪魔に思う方がおります。お嬢様が生きていると困る方が」

「は？なんだよそれ…」

Aが生きていたら困る？

「お嬢様は先日、婚約者の型に婚約破棄をされ学園から追放されました」

「何…」

フィリーネの言葉に俺は顔を顰めた。
雲一つない空とは裏腹に俺の心は曇り始めていた。

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