【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

DEAD OR DEAD ページ3

舞台からあっさりと降りた私は学園から去る。
痛む足を引きずりながら迎えの車に乗り込み、このまま自宅に戻る。


「お嬢様…」

「出してください」

車に乗り込み先程のことを整理する。


自宅まで車で送迎してもらっているので車の中では何も話さないでいた。

私は現在非常に困惑している。
何故かというとここは漫画の世界だからだ。

東都タワー。

関東を代表するタワーならば普通は東京タワーかスカイツリーだけど。
この世界にそんなものはない。

だってこの世界は私が愛読した名探偵コナンの世界だから。

「お父様は？」

「本日は鈴木史郎様と会合がありまして、夜までお戻りにならないようで」

「そう…」

窓を見ながら表情を変えずにいる私だけど、内心では焦りまくっていた。

早乙女財閥は日本五大財閥の一つ。
鈴木財閥、大岡家を越える程の名家であり旧華族にはいるのだから。

父親は警察庁長官で叔父は父の補佐。
表向きは公務員なので叔父が当主として補佐に回っている。

私はその家の長女として生まれた。
元は旧華族(侯爵家)なのでいわゆるお嬢様。

先程私を断罪した男は私の幼馴染であり元婚約者、加地祐介。
私達は幼少の頃に婚約をして周りから見れば政略結婚であった。

‥‥はずだったが、ぽっとでの令嬢に婚約者を寝取られた。
かく言う私は悪役令嬢ポジションといういわば当て馬になってしまった。

彼女はヒロインであり、後にこの世界で重要な役回りを果たす。
漫画と並行して発売されたゲーム、パンドラの鍵というものだった。

原作を忠実にして新たなヒロインを導入し主要キャラと事件を解決していくストーリーだった。

正直私は全クリアをしていなかったので物語の結末は知らない。
でも、私が知る限りでは現時点で自宅謹慎になるはずだ。

新たな婚約者に据え置かれ。

婚約者って誰だっけ？

確か父親は警察のトップ…


トップ…

いや待てよ？
ぶっ飛んだ記憶がクリーンになっていく。

確か父親にお気に入りの部下がいた。

ゴン！

トリプルフェイスのあの人だ！

「お嬢様！」

いやいや、滅茶苦茶政略結婚じゃない！
確かに警察庁長官の後ろ盾はある方がいいし利益はある。

けれど愛情は芽生えることなく孤独に負けて黒の組織に関わりを持ち最終は。


「死亡ＥＮＤ…よくて国外追放」

お先真っ暗じゃない！

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