2大いなる誤解 ページ7
「小鳥よ、迎えに来たぞ」
よりにもよってちょもかよ！
「Aちゃん、どの人…」
「お前」
何処からどう見てもやーさんのお頭にしか見えない姿。
対するにゃーさんは。
「何でいるの」
「出入りが早く終わったんだ」
「「「出入り！」」」
だから誤解を招くような真似を言うな！
思いっきり誤解を招くようなことを言ったら。
「出入りとは…」
「ああ、うちの一派が…」
だから言い方が！
「何で二人が…」
「本当は鶴丸が来ると言ったんだ。驚きの風を吹き荒らすとか」
「だが、長船の祖が止めてたんだよ」
ナイスミッチー！
今度新しいスーツを新調してあげよう。
鶴丸は前科があるから。
「おい、説明しろ…」
「お初にお目にかかる。私は一文字山鳥毛だ」
「大般若長光だ。アンタは本当に好きだな甘い物が」
そう言いながら勝手に食べるなよ。
私のチョコパフだ。
「甘すぎだ」
「だったら食べるな」
「つれないな…」
だからわざと耳元で囁くな。
「ちょっと陣平ちゃん！何で俺を殴るんだよ」
「なんかムカついた」
「ひでぇ」
隣で頭を押さえながら文句を言う萩原。
「私はパフェを食べに来ているのよ」
「じゃあ今度俺がもっと楽しい所に連れてあげよう」
だから耳元で囁くな。
「俺がアンタがいるなら何処でも楽しいからな」
「あっそ」
「Aさん、こんな素敵な人に口説かれているのに昔と変わらずドライですね」
「毎日朝から寝るまで言われたら慣れるわ」
「「「寝る前！」」」
「やべぇ、口滑った」
ついぽろりと零れた。
「Aさん、失礼ですが…謙信君のお父さんは誰ですか？」
「おれのちちはいないぞ！」
「シングルマザーですか」
いや、この世にいないだけだけど。
謙信の生みの親はとっくの昔に天国にいるし。
「私が生んだんじゃないわよ。生みの親は別だし」
「じゃあ…連れ子なの？」
まぁ私が顕現したけど生みの親は違うからそうなるのか。
「まぁ、そうなるわね」
「おれはどっちもすきだぞ」
ぎゅっと私に抱き着く謙信。
相変わらず可愛いけど、でもね？
完全に誤解されている。
私が死んだことになっていたのは、事件の後に急いで本丸に帰らざる得なかっただけ。
ついでに言えば私の死体だけど。
研究所に保管されていた死体が焼けただけなんだけど。
何で私が殉職になったか意味解らないわ。
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作者名：ししゃも | 作成日時：2022年5月18日 17時
