アクロトモフィリア ／ rb ページ19
ガチャガチャ、と背後から聞こえる耳障りな金属音に、ロボロは顔を顰めながら音の鳴る方へと顔を向けた。小さく溜息を零した後、ゆっくりと立ち上がるとその音を鳴らす彼女の元へと足を進める。
｢こぉら。そんな暴れたらあかんやろ？また怪我してまうで？｣
彼女の顔を覗き込み優しく告げると、彼女の肩が小さく跳ねる。恐怖と殺意の混ざる瞳で此方を睨み付け｢これ、外してよ。｣と震えた声にて小さく呟く。これ、と呼ばれた拘束具を一瞥し、ロボロは困ったように笑みを浮かべる。
｢外してあげたいんは山々なんやけどなぁ。それ外したらあんさん、また逃げそうとするやろ？まだ傷口も塞がってへんし、危ないから無理やな。｣
過去の彼女の行動を思い出しては頷きながら彼女へと告げる。落ち着かせようと頭を撫でてやると、彼女が小さく口を開いた。｢何でこんなことに。｣小さくとも、しっかりと耳に入った彼女の言葉に撫でていた手の動きが止まる。ただただ冷たい瞳で彼女を見詰めては大きく溜息を吐く。
｢Aが言ったんやろ。私を一番に愛してって。俺の一番になれるなら何でもするって、そう言ったんは御前やで？やから一生愛してやれる身体にしたったのに…、｣
悲しげな声色で呟き、そっと彼女の脚を撫でてやる。丸みを帯びたその脚は、もう昔のように歩くことはできない。しかし、彼女は脚を失う代わりに美しさを得た。普通の人間では出すことのない、非対称である美しさ。全ての人間が四肢を失ってしまえばいい。物心ついた時からそう考えてきた自分にとって、彼女の姿は最高以外の何物でもない。
じっと彼女の傷口を見詰めていた俺に恐怖を感じたのか、彼女はぼろぼろと大粒の涙を零し始めた。嗚呼、そんな顔をさせたい訳じゃないのに。そっと彼女を抱きしめてやると彼女の体が震え出す。急いで体を離しては、出来る限りの優しい笑みを彼女へと向ける。
｢……ごめんな、真っ当な方法で、御前を愛してやれんくて。｣
──なんて、彼女の為の優しい嘘を吐いてやる。ごめん、なんて思うわけが無い。元より美しく可愛らしかった彼女に、より磨きがかかったのだ。俺だけの、可愛い可愛いA。今更離してなんてやらへんからな。
四肢全てが無くなった彼女を想像し、不気味とも呼べる笑みを浮かべながらロボロは昂った身体を冷やすべく部屋を後にした。
─
アクロトモフィリア：手や足などの四肢が欠損した身体に対する性的嗜好。手足切除者愛好。欠損フェチ。
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平凡な人(プロフ) - うん。凄い。性癖にドストライクで刺さりました!更新楽しみにしています！ (2022年2月3日 20時) (
レス) @page9 id: 244f5e227a (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - めちゃくちゃ好みです！！毎回更新楽しみにしてます♡ (2022年1月26日 10時) (レス) @page22 id: 765b91b6bf (このIDを非表示/違反報告)
りんごうまい - ところどころ性癖に刺さった (2021年10月21日 23時) (レス) @page20 id: ef60100ca2 (このIDを非表示/違反報告)
たらい(プロフ) - ど趣味でえぐいっすふファンになりやした (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0b993ff198 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 好きです!! (2021年6月13日 14時) (レス) id: f606088b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悲哀 | 作成日時：2021年5月28日 19時
