ハイポクシフィリア ／ syp ページ1
ギシ、とスプリングの軋む音が、暗く静かな部屋に響き渡った。寝具には楽しげに口角を吊り上げた男と、少し怯えたような表情の女。
｢いつまで焦らすつもりですか？｣
徐ろに口を開いた男。ショッピは、寝具に背を預け小さく首を傾けた。ゆっくりと女の手を掴み、自身の首へと誘導する。急かすような瞳の奥は興奮の色に染まっている。
｢わ、私、ショッピ君が苦しむのは、嫌、｣
｢大丈夫ですよ。俺には興奮材料にしかならないんで。｣
｢やから、早く。｣ と呟いたショッピは、Aの手に自身の手を重ね、首を抑えるように力を入れる。しかし、Aが力を入れる気配はない。まともに体内に入り込む酸素に表情を歪めては溜息混じりに彼女を見詰める。
｢……出来ないのなら、それでええですよ。他の人に頼むんで。｣
興醒めだ、とでも言うように告げるショッピに、Aは咄嗟に首に当てた手に力を入れた。彼が他の女の所に行くくらいなら、私が。ぐっ、と親指に力を入れると、彼は驚いたように目を丸くするも、すぐににんまりと口角を吊り上げる。
｢どう？ショッピ君、きもちい？｣
｢ん、…もっと、こんなんじゃたりませんよ、｣
足りない？だめ、これじゃ彼が私の元を去ってしまう。そんなの、嫌。
先程よりも強く手に力を入れると、徐々に余裕の無くなっていく彼。しかし吊り上がる口角はそのままで、どこか恐ろしさを感じてしまう。
｢ぅ、あ、…ひゅ、ぅ、ッふ、は、やれ、ば、でき、る、っや、ない…です、か、｣
虚ろになっていく瞳が、私を映し出す。嫌な筈なのに、彼の瞳に映る自分はどこか楽しそうに見える。我に返ったように反射的に彼の首から手を離すと、ショッピが大きく咳き込む。声をかけようとしたその時。彼が掠れた声で言う。
｢貴女に殺してもらうのも、ええかもしれへんな。｣
｢ね、次はもっと、気持ちよくしてくださいね。｣
そう言って、彼は震える私の手を握った。優しく微笑みかける彼が余りにも艶かしくて、私は素直に頷くことしかできなかった。
─
ハイポクシフィリア：窒息性愛。首を絞める行為や、ビニール袋などを用いた低酸素症や窒息行為(または窒息に近い状態)で得られる性的興奮の嗜好。
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平凡な人(プロフ) - うん。凄い。性癖にドストライクで刺さりました!更新楽しみにしています！ (2022年2月3日 20時) (
レス) @page9 id: 244f5e227a (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - めちゃくちゃ好みです！！毎回更新楽しみにしてます♡ (2022年1月26日 10時) (レス) @page22 id: 765b91b6bf (このIDを非表示/違反報告)
りんごうまい - ところどころ性癖に刺さった (2021年10月21日 23時) (レス) @page20 id: ef60100ca2 (このIDを非表示/違反報告)
たらい(プロフ) - ど趣味でえぐいっすふファンになりやした (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0b993ff198 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 好きです!! (2021年6月13日 14時) (レス) id: f606088b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悲哀 | 作成日時：2021年5月28日 19時
