ピーチレモネード 2 …Ren.N (ページ25)

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毎日のように必死に練習していれば、
あっという間に体育祭まで残り1週間をきっている

相変わらず焦っている私は、

彩音「ねぇ、大丈夫なの？」

と、彩音に心配される始末。

大丈夫だよ、と軽くあしらうけど

実際はそこまで大丈夫でもない

「ここの助動詞の活用は…」

午後の暖かい日差しと子守唄のような先生の優しい声に、重たい瞼がどんどん下がってくる

手のひらから頭が落ちかけた時、何やら腕に刺激を感じて目が覚める

驚いて右を見ると

永瀬「…」

心配と怒りが混ざったような、不思議な顔でこっちを見つめている永瀬と目が合う

ありがと、と口だけ動かせば
無理すんなって、と返事がきた

別に、無理してる訳じゃなくて
嫌々やってる訳でもないし
ただ、体力が追いついてくれないってだけ

まぁ、こんな事言っても納得してくれないと思うけど

その後うとうとすることは無かったけど、やっぱりどこか、気が抜けてるみたいな気がしていた

HRが終わり、体育館へ行こうと教室を出かけた時
誰かに腕を掴まれて立ち止まる

A「…永瀬？」

永瀬「行くで、」

私に有無を言わさずに教室を出て、私の腕を掴んだまま下駄箱に向かう永瀬

廊下に居る女子からの視線があまりに痛くて腕を離そうとするけど

A「っね、永瀬、！ちょ、」

細い腕からは想像出来ないくらい力が強くて、ビクともしない

永瀬「はよ、靴履いて？」

A「あの、私」

永瀬「ええからはやく、」

永瀬の圧に負けて、でもそれがなんだか悔しくて
ちょっとの反抗心でゆっくり靴を履いてみる

私が靴を履いたのを見て、また腕を取られる

A「ねぇ、どこ行くの、？」

永瀬「内緒」

A「え、」

私の腕を引いて、早足で歩く永瀬に必死についていく

永瀬「…着いた」

永瀬の小さな声が聞こえて、顔をあげると

A「…？」

永瀬「バスケ、しよ？」