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35 sideY ページ35






「久しぶり!元気だった?」

『諸伏さんこそ!本庁に来てすぐ会った以来なので、一年振りですか?』

「もうそんなになる?A、大人っぽくなったね〜。」

『諸伏さんは変わらずですね(笑)』

「えー、それはいい意味?(笑))

「おい、諸伏。俺は無視か?」



諸伏さんと談笑していると、ポケットに手を突っ込んだ松田くんが私の前に立ちはだかる。

ちょっと、あなた背が高いから、完全に諸伏さんの姿視界から消えたんだけど。



「あれ、松田!スーツ着てるから誰かわかんなかった!」

「ホォー。」

「元気そうで何よりだよ。」

「お陰様で。」

「ってことは、Aと組んでいるの?」

「まぁ、そんなとこだ。」



眉間に皺を寄せ、眉をぴくぴく動かしながら諸伏さんと話す松田くん。

なんだか目を細めて諸伏さんを睨んでいるみたいだったから私は慌てて松田くんの前に割って入る。



『ちょっと!!なんで威嚇してるのよ!!』

「ハァ?してねーだろ!」

『してるわよ!!私の大切な先輩傷つけたら許さないから!』



松田くんの表情に、困ったように首を傾げる諸伏さんだったけど、私たちの姿を見て何かを察したのか、またにこやかに微笑む。




「捜一、あんなに嫌そうにしていたから、一時はどうなるかと思っていたけど楽しくやってるみたいだね。」

「楽しかねーけどな。」

「そう?(笑)」

「……っ」




向日葵みたいな笑顔を見せる諸伏さんとは反対に、唇を噛み締め悔しそうな視線を彼に向ける松田くん。

仲が良くて何より…?




『それより諸伏さん、どうしてここに?公安部は別館ですよね?』

「実はね、挨拶に来たんだ。特殊犯係ってこのフロアだっけ?」

『特殊犯係って…もしかして、プラーミャの合同捜査の関係ですか?』

「えっ、なんで知ってるの?」

『私たちも捜査に加わることになったんです。強行犯係代表として。』

「そういえば、そんな話あったね。まさかここにきてAと仕事することになるとは。」



驚いたような顔をする諸伏さんに、私は嬉しい気持ちを噛み締める。一刑事として諸伏さんとまた一緒に仕事ができるなんて。こんな光栄なことはない。

「特殊犯係まで案内します!」と意気揚々と宣言した私に「じゃあお願いしようかな」と諸伏さんはまるで子どもを見るような目で答えてくれた。

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作者名:舞子 | 作成日時:2022年11月8日 22時

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