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俺が警察官を目指した理由。
許せなかったから。
親父の夢をぶっ潰し、シレッとしているアイツらが。
警察官になって、警視総監をブン殴ってやる。
そのために、俺は警察官になると決めた。
「ははは!(笑)それは相当出世しないとお近づきになれないな(笑)」
そう言ってゼロは笑った。
『そういうテメェはなんでポリ公目指したんだよ。』
「ある人を見つけ出すためさ。とても大切な女性をね。」
『なんだ、女かよ。お前意外とチャレーな。』
「だろ?」とゼロは笑ったけど、俺はそれ以上、揶揄う気にはなれなかった。
『俺もだよ。』
俺がそう言うと、予想外の言葉だったからか、「え?」と声を漏らし、ゼロはあからさまに驚いた顔を見せる。
警視総監をブン殴ることともう一つ。
俺がここに来た理由。
『俺も探してるヤツがいる。俺の前から突然姿を消した、ある女をな。』
大きく風が吹き、桜が俺らを囲うように舞い上がる。
桜を見る度、姿を消したあの頃を思い出す。
俺は警察官になった。
これで、アイツを見つけ出す足掛けができた。
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作者名:舞子 | 作成日時:2022年11月8日 22時